インドの路上から見えた、色彩レポート

先日、D-LOGでインド市場を見学してきました。
人口の増加に伴う経済成長が注目されるインドですが、現地に根付く文化と急激な発展が混在するコントラストの強い街として映りました。そこで今回はインドの街で見かけた色とコントラストに着目し、その特徴をお伝えします。

インドの街を色で例えるならば、ベージュと言えるでしょう。
道路は舗装していない所が多く、土が剥き出しで空気が乾燥しているため砂が舞い上がります。

日射も強いため看板も退色していることが多く、全体的にグレイッシュなアースカラーにまとまっていました。インドにも高層ビルが多くあり、民家や小店舗の奥から見える高層ビルが景観に強いコントラストを与えます。

ベージュの街で目を引くのが、身に着けている服の鮮やかさです。街に鮮やかなコントラストを与えていました。異なる柄を上手く組み合わせ、トーンを合わせて様々な色相を身に着ける着こなしは、インドの土地が育てた感性の着こなしでしょう。

彼女たちの服装について調べてみると、写真の服装はサリーではなくシャルワール・カミーズと呼ぶようです。シャルワール・カミーズとサリーとは大きな違いがあり、非縫製布のサリーに対してシャルワール・カミーズは縫製されています。現在サリーは都市部ではあまり日常的に着られることはなくなっており、非縫製布であることで「浄」を表す特別な服装の意味合いが強いとのこと。鮮やかなストロングトーンの服は、日差しが強いインドによく似合っていました。

道路でも面白いコントラストを見ることができます。トラックなどの商用車は刷毛で模様が塗装されていることが多く、それぞれ模様に個性があります。まるで、ドライバーの想いが入った工芸製品のようでした。私達がよく知るロボットで均一に塗装された乗用車とのコントラストが面白いです。

現在のインドの乗用車は購入後の補修性を考慮する傾向が見られるためホワイトソリッドやシルバーが多くを占めています。しかし、レッドやブルーなどの一部の有彩色も見ることができました。耐候性なども考慮して創られる自動車用塗料は、色褪せることなく鮮やかな色を保っており、街に彩りを与えていました。

インドでは、近年女性のドライバーが増えていると聞いていますが、街で見掛けることはあまりありませんでした。これからさらに女性ドライバーが増えてくれば、彼女たちが着ているような鮮やかな色がトレンドとなるかもしれません。

アースカラーの街がこれからどんな色で彩られるのか楽しみですね。