三保谷硝子店 101年目の試作展

企画展

三保谷硝子店 101年目の試作展

開催期間2009年10月27日(火)〜2009年11月08日(日)
時間11:00〜19:00(最終日は17:00まで)
会場AXISギャラリー
参加費無料
詳細URL

  • Photo by Hiroyuki Hirai

Photo by Hiroyuki Hirai

主催三保谷硝子店
AXISギャラリー
参加クリエイター(五十音順)
アシハラヒロコ
五十嵐久枝
海藤春樹
川上元美
杉本貴志
杉本博司
高松 伸
トラフ建築設計事務所
橋本夕紀夫
廣村正彰
藤塚光政
堀木エリ子
宮島達男
八木 保
山田尚弘
吉岡徳仁
協力(五十音順)株式会社 荒井製作所
株式会社 イシマル
有限会社 勝俣銘木工業
有限会社 ビー・ポイント 他

国産のガラスが産声を上げて間もない1909年(明治42)に創業した三保谷硝子店は今年100周年を迎えた。その家業が大きな転機を迎えるのは1970年代、三代目三保谷友彦と鬼才倉俣史朗氏との出会いからである。ここから三保谷硝子は、「デザイン」の領域へと大きくシフトしていく。以後、あの名作「硝子の椅子」をはじめ、溢れる倉俣のインスピレーションを独自の技術力で具現化し支え続けた。それは単なるデザイナーと職人の出会いや、単なる素材としてのガラスという次元を超えて、デザインとガラスの関係を新たな地平へと切り開き、ガラスそのものが表現媒体となる「ガラス・デザイン」という新たなデザイン概念を創出したと言っても過言ではない。

 本展は、そうして培われた三保谷硝子の技術力を駆使して、三保谷の心意気に心酔する16組のクリエイターたちが「ガラス・デザイン」の新たな表現に挑む試作展である。

<展覧会構成>
近藤康夫(会場デザイン)
廣村正彰(グラフィックデザイン)
川床 優(テキスト)阿比留生吾(技術協力)
海藤春樹(照明デザイン)

<三保谷友彦氏(三保谷硝子店3代目)によるギャラリートーク>
日時:11月7日(土)
第1回 12:30~、
第2回 18:30~(各30分程度)
会場:AXISギャラリー

<本展の関連トークイベント>
「デザインの起源、始まりのかたち」 ※終了しました
日時:10月31日(土)15:00~16:30
スピーカー:杉本博司氏、近藤康夫氏、三保谷友彦氏、川床 優氏(進行)
会場:東京ミッドタウン・カンファレンス(ミッドタウン・タワー4F)

<三保谷硝子店、創業100周年にあたってのコメント>
祝100周年。三保谷硝子の打合せ室に伺うたびに目が点になる、宝の山なのである。あるわ、あるわ、ガラスのサンプル、興味を引く試作品からリサイクルもの、数々の技術資料等々。全て何らかの仕事や難しいテーマに当代が係った集積なのだ。ことガラスに関して、意地でも先端を見続ける、技術の求道師の風格が出てきた。(川上元美)

職人には石頭が多いが三保谷さんはガラス頭だ。面倒なことに石は割れにくいがガラスは割れやすい。取り扱いには厳重な注意が必要で、素人はいざ知らず、半知半解のプロなどは怪我をすることがある。しかし疵を負ったことにも気がつかないプロもいる。三保谷ガラス店に出いりする人間模様はいつまで見ていても見飽きるということが無い。(杉本博司)

三保谷友彦はただの職人ではない。時代を超え、長くデザイン界に貢献している職人である。発案、試作、製作、挑戦──難易度の高い仕事ほど燃える。仕事だけではなく、遊びにも情熱を燃やしてきた。それらは蓄積となって、粋に近い官能的な何ものかを知る、三保谷友彦、独自の感性になっている。(藤塚光政)

三保谷さんとの付き合いは2001年から。アーテイストは一人で自らの夢の実現はできない。三保谷の職人は驚くべき忍耐でこれに応える。職人の技はアーテイストの夢で限界まで引き上げられ、その技を見たアーテイストはもっと大きな夢を描く。そんな、理想的関係が三保谷硝子にはあるのだ。(宮島達男)