ペア・クラーセン 講演会
<br/>人とモノとの新しい関係 ─「遊び」とデザイン
<br/> The evolution of things - design by playing

AXISフォーラム 第19回

ペア・クラーセン 講演会
人とモノとの新しい関係 ─「遊び」とデザイン
The evolution of things - design by playing

日時2004年04月01日(木) 18:30〜20:00(終了後懇親会あり)
会場AXISギャラリー

Peer Clahsen  ペア・クラーセン 工業デザイナー、教育者、アーティスト。

1938年バルト海の近くに位置し、起源を中世にまで遡るドイツのホル スタイン地方に生まれ、森や川、湖、氷堆積に囲まれて育つ。学生時代、手工業職人としての修行を経て美術専門 学校に進学。活動領域は、自然研究、文化研究、基礎研究(基本的文化についての基礎研究。例えばものに形を当 てはめるときにどういう原則が本質的であるか、など)である。これまでにインテリア用品や実用品を開発、住環 境整備計画を手がけ、彫刻・絵画を制作、また、多くの玩具を生み出し、執筆活動を行う。一方で新しい幾何学構 造の発見、多面体や運動学に関する新しい法則を見出す。例えば、彼の命名によるところのPolyederketten(ポリエーダーケッテン=多面体連鎖)はそのひとつである。 クラーセンの名を世界的に有名にしたのは彼の玩具(Objektspiele=トイ・オブジェ)であり、ネフ社から発表 された代表作の3-d muehle(3-dミューレ)、pantao(パンタオ)、cubicus(キュービックス)、cella(セ ラ)、diamant(ダイアモンド)などは誰も考えつかなかったアートと学問の中間に位置づけられる3次元の作品 である。  クラーセンがこれまでにデザインしたobjeuxや彫刻作品の数は約800に及ぶ。また創作したエピグラムや詩、俳 句は約2500以上、なかでも1961年のwort, ort, wo(wort=言葉、ort=場所、wo=どこ)は代表的な詩作である。 1984年より 以前から考案していたGeorythmie(ゲオリュトミー)の活動を正式に開始。ゲオリュトミーとは、 数学の基本原理と遊ぶことによって生まれる新しいムービング・アート、モノとヒトとの間におこるエヴォリュー ション(進化)の一種である。

スイスの木工玩具メーカー、ネフ社のトイ・オブジェ(構成玩具)のデザインで知られるクラーセン。 数学 的な「立方体の分割」を基本にした色彩豊かな積み木は、彫刻的な造形美と遊びとを見事に融合させ、子供 から大人まで楽しめる。クラーセンは、自身がつくりだすトイ・オブジェを”objeux”(オブジェobjeuxと 遊ぶという意のjeuxを組み合わせた造語)と呼び、これまでに800におよぶobjeuxのデザインを手がけ てきた。「ものごとの内側に興味がある」というクラーセンが真に必要とされるデザイン・消費されないデ ザインについて、またデザインにおける「遊び」の重要性について語る。