大阪を拠点に活動するプロダクトデザイナー、柳原照弘さんの事務所を訪問しました。

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141号の連載記事の取材で関西を訪れる機会があったその日、ちょっと寄り道してISOLATION UNIT/を主宰する柳原照弘さんの事務所へ。地下鉄四ツ橋線の本町駅から歩くこと1分。目指す場所は、イタリアンレストランの上にあります。

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事務所の扉を開くと、白い壁とモルタルの床で構成されたギャラリー風の空間が目に飛び込んできます。置かれているのはもちろん、柳原さんの作品。今春ミラノサローネで発表した補色をテーマにしたローテーブル「1915」とも初対面。ウェブや雑誌などで見てはいたが、やはり実物を目にすると、感情の沸き上がり方が違う。補色の関係にある細い脚が、引っぱったり圧縮し合うことで、構造的に補い合い、絶妙なバランスを成立させている。美しい。建築として立ち上がるとさらに面白いのではと言うと、「もともと建築から発想したもの」だと教えてくれました。

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他にもこのスペースには、幻想的なキャンドルホルダーのオブジェパスタを模したネックレスなど、柳原さんのユニークなデザインアプローチを具現化した作品が並ぶ。基本的に毎月第2土曜日をオープンスタジオとして開放しているので(クローズの場合もあるので、リニューアルされたウェブで確認を)、このタイミングで近くを訪ねる機会があれば、ぜひ立ち寄ってみては。

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9月に予定されているデザインイベントの企画書

柳原さんからは、近作についてだけでなく、現在進めているプロジェクトについても話をうかがいました。詳細はまだ書けませんが、9月半ばに地元大阪で企画しているデザインイベントは、3年に及ぶ構想の末に実現する大掛かりなものとなりそう。海外からもデザイナーを招聘し、大阪発世界に向けて、クリエイティブ思考の発信の場を目指す予定だといいます。それは常々、“デザインする状況をデザインしたい” と語る、柳原さんの都市を舞台とした新たな作品と言ってもいいかもしれない。