ナイキの旗艦店に見るブランドの築きかた

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昨年のAXIS 8月号(134号)表紙にマーク・パーカーCEOが登場したナイキ。そのフラッグシップストア「NIKEフラッグシップストア原宿」が11月14日(土)原宿にオープンしました。

初日のセレモニー、松坂大輔さんと桑田真澄さんが登板した始球式で幕を開けた「NIKEフラッグシップストア原宿」は、3フロアで計286坪という国内最大の売場面積を持った、ナイキ直営の日本における新しい旗艦店です。インテリアデザインは片山正通氏のワンダーウォール、建築設計・施工は鹿島建設が担当しています。スポーツウェアの機能性に倣ったような、力強くシンプルな店内は「プライグラウンド」をイメージ。全体に文字要素を極力排除し、アスリートのストイックささえ感じるような清々しい空間です。

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1Fはイベントなどに使える特設スペースのほか、予約制の「ランナーズスタジオ」が特徴。ランニングマシンとハイスピードカメラが連動した「ゲイトアナリシス」の上を走ることによって、走行時の足の倒れ込みを計測。その結果に基づき、専門のアドバイザーがシューズ選びをアドバイスする仕組みです。1セッション20分(無料)、電話予約が可能です。

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2Fはスポーツウェアを中心に展開するフロア。奥にはガラス壁で仕切られた「NIKE iDスタジオ」があります。素材や色を組み合わせて、オリジナル製品をカスタマイズするための予約制ルームです。シューズの場合、およそ10億通りの組み合わせから自分だけの1足ができ上がります。ネット上のサービスであるNIKEiD.COMに比べ、実際の質感を確かめながら選べるのが特徴。納品は2週間程とのことです。

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3Fはサッカーに関して幅広くカバーする「ナイキブーツルーム」。英国のNiketown Londonに続き、世界で2店舗目となるフットボール専門スペースです。スパイクへのオリジナル刺繍(1箇所につき525円)もその場で可能。通常20分程度で仕上がります。

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アップルストアを連想させるような予約制プログラムや専門スタッフによるアドバイス。デジタル製品に比べれば高価ではないスポーツ製品で、ここまでのきめ細やかな顧客サービスを提供する背景には、先行して培ったNIKE OSAKAでのブランド価値向上の経験があるようです。あらゆる分野に通じるヒントが見つけられそうなこのストア、デザインに関連した仕事に携わる人には必見と言えそうですね。

住所:東京都渋谷区神宮前1-13-12(東京メトロ「明治神宮前」駅、JR「原宿」駅)
TEL: 03-6438-9203(「NIKEiD」フリーダイヤル:0120-972-719)
営業時間:11:00〜20:00(不定休)

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