「建築はどこにあるの? 7つのインスタレーション」展が
東京・国立近代美術館でスタート

東京・竹橋の東京国立近代美術館で始まった「建築はどこにあるの? 7つのインスタレーション」展。7組の建築家が模型や図面で自身のプロジェクトを紹介するのではなく、オリジナルの体験型インスタレーションを創出。タイトルで謳うとおり、「建築はどこに存在するのか」を鑑賞者に問う内容だ。

▲アトリエ・ワンによる前庭に設置された「まちあわせ」

7組の建築家は、世代も考え方もさまざま。キュレターの保坂健二朗はあえて違いの明快な建築家たちに依頼したという。また、昨今の日本の建築家は、「これが建築である」ではなく、「これも建築である」というスタンスで活動しているのではないかと分析する。

▲中村竜治さんの「とうもろこし畑」。膨大な手作業による紙製の構築物

実際、美術館の内外に設けられた作品はさまざま。しかし、共通して感じられるのは、いかに美術館という箱を忘れて作品に向き合うことができるかがポイントだろうという点。抽象的かつ実験的な作品が多いので、意図を読み解くことは容易ではなく、体感しているうちに自然と「建築」が浮かび上がってくるように思えるからだ。

▲内藤廣さんによる「赤縞」。建設現場で墨出しのときに用いるレーザーに着想を得ている

そのほか、制作プロセスを紹介する特設サイト「WORK IN PROGRESS」を設けたり、建築家ごとの講演会、内藤廣さんの作品内でのパフォーマンスなど関連プログラムを複数展開している。また、「建築はどこにあるの? あなたの答えを教えてください」という写真投稿サイトを設けるなど、館内に止まらない拡張性も試みている。

▲菊地宏さんによる「ある部屋の一日」。光と空間と建築の関わりにずっと興味を持っていると語った

正直にいえば、読解型の建築展に慣れている目には多少戸惑いがあり、また作品単体で完結しているわけでなく、それぞれに続きがある、その一部が披露されているように思えた。建築に対する既存のイメージを振り払って、再度訪れてみたい展覧会だ。

▲伊東豊雄さんの「うちのうちのうち」。「建築を建築たらしめているものは何なのか」を考え続けていると語った


この展覧会の鑑賞券を15組30名様に抽選でプレゼントいたします。

ご希望の方は、タイトルを「建築はどこにあるの?鑑賞券希望」として、氏名 (+フリガナ)、住所(+郵便番号)、所属名を明記のうえ、axismag@axisinc.co.jpまでお申し込みください。当選の発表は、鑑賞券の発送をもって代えさせていただきます。なお、本情報は建築はどこにあるの?鑑賞券についてのご連絡以外には使用いたしません。

応募の締切は、5月13日(木)です。


「建築はどこにあるの? 7つのインスタレーション」展

会 期  4月29日(木)~8月8日(日)
開館時間 10:00〜17:00(金曜は20:00まで)
休館日  月曜日(5月3日、7月19日は開館)、5月6日(木)、7月20日(火)
会 場  東京国立近代美術館 企画展ギャラリー
観覧料  一般850円、大学生450円
主 催  東京国立近代美術館

▲4月28日、記者発表会でのひとこま。建築家それぞれの講演会も楽しみだ