AXIS 147号 9月1日発売です!

表紙インタビュー:デイヴィッド・アジャイ(建築家)
2000年ロンドンに自らのオフィスを設立後、瞬く間に建築界の第一線に躍り出たデイヴィッド・アジャイ。「光と素材を操る……」「洗練された、アート感溢れる……」など、多様な評価を受ける彼だが、その思想の根底にあるのは、世界のあらゆる土地と文化への尊敬、科学的な姿勢、そしてアートへの共感である。

特集:クリエイティブ・トークセッション II
昨年に続き、今年も東京・六本木のAXISギャラリーで、異なる分野の第一線で活躍するクリエイター同士のトークセッションを開催。会場には学生からプロのクリエイターまで多くの人が詰めかけた。対談にあたっては、いくつかのキーワードを用意してもらったものの、予定調和な展開などあるはずもなく、互いに触発されながら、会場も巻き込み、多様な方向に話は広がっていった……。

隈 研吾(建築家)& 石井 裕(MITメディアラボ副所長・教授)/西沢立衛(建築家)&  村正彰(グラフィックデザイナー)

トピックス:三宅一生が挑む21世紀の “衣服革命”「132 5. ISSEY MIYAKE」
2010年秋、「132 5. ISSEY MIYAKE」と名づけられた新プロジェクトが発表される。幾何学の揺るぎない規則性を持つ平面が、身体を包む揺れ動く優美な立体へと変化する不思議。1980年代後半に発表されたプリーツのシリーズで、服をつくる工程に革命を起した三宅一生と彼のスタッフが再び挑んだ新たな飛躍。そこには、時代の要請であるリサイクルに配慮しつつ、「一枚の布(A Piece of Cloth)」の原点に立ち戻ろうとする強い意志が漲っている。

トピックス:ベルリンにスタジオ7.5を訪ねるーー妥協せずに生きることを許されるために
2009年6月にシカゴ国際家具見本市「ネオコン」で発表されて以来、世界中で大きな反響を呼んでいるハーマンミラーの「セトゥーチェア」。「キネマティック・スパイン」と呼ばれ恐竜の背骨のようなフレームエレメントの効果で、シームレスに一体化された背もたれと座面が、座る人の姿勢や動きに自然に呼応してリクライニングするという過去の不可能が可能になった椅子だ。このような身体がプロダクトの美しさを知覚できるデザインを生み出すクリエイターたちはいったい何者なのか。自国ドイツのメディアにも登場することがあまりなくアンダーステイトメントにわが道を行くスタジオ7.5をその創造の現場に訪ねた。

連載 匠のかたち:檜風呂
鉋をあてるたびに、爽やかな香りが立ち上がる。つくっているのは、直径900ミリの樽型の檜風呂である。その工程は、桶や樽づくりとほぼ同じ。短冊状の板材を使い、計測できないほど僅かな厚みを削り、角度をつけ、材をつなぎ合わせて歪みのない円に近づけていく。まさに勘とコツによる、木の文化を象徴する技術である。しかし今や、樽型の檜風呂をつくれる職人は、少ない。

連載 オピニオン:藤井直敬 理化学研究所 脳科学総合研究センター適応知性研究チーム チームリーダー
「社会脳(ソーシャルブレインズ)」というテーマで、従来にない考え方と研究手法によって、脳科学の分野に切り込んでいる、理化学研究所 脳科学総合研究センター 適応知性研究チーム チームリーダーの藤井直敬氏。「既成の枠を超えることで、今までに見えなかったものがきっと見えてくる」と明確に語る氏の研究姿勢はクリエイターのそれと通じるところがあるはず。研究室に氏を訪ねた。

その他トピックス:
国際見本市「LIVING & DESIGN」
16年目を迎えたベネトン「ファブリカ」
万人を知に導くエキシビション 英国のデザイン展、建築展より
グラスゴー・スクール・オブ・アート プロダクトデザイン学科の挑戦
世界を変えるデザイン展が変えたものとは?

その他連載:
まばたきの記憶 「ファスナーと船」
ジェームズ・ダイソンの法則 「私にとっての天才」 
モラルの土木 「愛煙家にも愛情を」
本づくし・書評 安積朋子/桐山登士樹/市川和男/深澤直人
産学共同の正しいやり方 「東京工科大学と新江ノ島水族館」
クリエイターズワーク&ソウル 青木基浩/緒方慎一郎 など