ガブリエレ・ペッツィーニが手がけた
仏ピュイフォルカの新ナイフコレクション「Couteaux-Orfevre」

パリを拠点に活動するデザイナー、ガブリエレ・ペッツィーニ。そんな彼の新作は、ミシュランの3ツ星を獲得するスターシェフ、ピエール・ガニェールと協同で開発したピュイフォルカのための6つのナイフコレクションです。

骨すき用のボーニングナイフや果物ナイフ、スライサー、パン切り包丁などで構成されるコレクションは、ガニェールの調理方法および彼の動作を長期にわたって観察、その厳しい技術要件を満たすことから開発が始まっています。

料理人の手を疲れさせないためのハンドル形状、ハンドルとブレードの重量バランスなど、考慮された点は多岐にわたります。また、ナイフそのものの美しさと同時に、使う人の振る舞いが優雅に見えるためにはどうするかといった点にも多くの知恵が注がれました。

スチールとローズウッドという2つの対照的なマテリアから生成されたハンドル上のラインと十字マークは新コレクションにおけるデザインの最大の特徴です。存在感を際立たせる2つの素材の組み合わせは、視覚的なインパクトだけでなく、機能的な役割も担い、連続的な使用にも耐え得る強度の獲得につなげています。もちろん、EVERCUTという独自技術によって磨かれた刃は、デザイン同様抜群の切れ味を提供することでしょう。

▲自らを「thinker」と名乗るガブリエレ・ペッツィーニ。本誌でもその動向をたびたび紹介しています。エンツォ・マーリと行った京都若手職人との対話の記事はvol.149号に。

「普段、包丁というモノが表に出てくることはあまりありません。常に隠されてきたのです。私たちは今回、そうした存在に対して技術的な美を見出そうと試みました」(ペッツィーニ)。新コレクションの発売はフランスなどでこの9月からスタートする予定です。