アトリエワン設計の移動式シンクタンク
BMWグッゲンハイム・ラボがニューヨークで開幕!

入稿の最中ではありましたが、8月1日から数日、ニューヨークへ行ってきました。目的は、BMWとグッゲンハイム財団が共同で展開する新プロジェクトの取材です。

プロジェクトの概要が発表された昨年来、高い関心が注がれてきた話題のコラボレーションが、8月3日、ニューヨーク・マンハッタンのイーストビレッジにてスタートしました。世界9都市を6年間にわたって巡回するノマディックな試みは、“移動式のシンクタンク”とも言えるもの。

▲長年空き地として放置されてきたビルとビルの谷間が、ラボのロケーション。道を通り抜ける感覚で立ち寄れます。

BMWグッゲンハイム・ラボの体を成すのは、日本のアトリエワンが設計したポップアップ式の仮設風建物。「振る舞いを誘発するようなものを目指した」(アトリエワン/貝島桃代さん)という壁のいっさいない構造体剥き出しの空間では、10月16日までの3カ月にわたって、ワークショップや映画上映会、パフォーマンスにディベートなど100を超える多彩なプログラムが、月曜日と火曜日を除く連日展開される予定です。

ラボという名称が示す通り、この実験的な試みそのものが、都市の抱える多彩な課題に対して持続的な解決策を見出すためのリサーチを兼ねています。ニューヨークの後は、来年のベルリン、さらにインドのムンバイへと移動し、3都市の巡回を計3サイクル重ねながら、さまざまな意見やアイデアを集約。都市環境の新しい可能性について考えます。

▲今回の取材時の嬉しい1コマ、グッゲンハイム美術館での着席ディナー。しかし、ライトの建築に目を配る余裕もなく、隣に座られた貝島さんに取材攻勢。

BMWがスポンサードしているからといって、将来の都心部におけるモビリティリサーチの一貫と見るのはやや早計で、むしろ主題は地域コミュニティからの提案を持続的な都市生活にどのように還元し、発展させるか、そのヒントを探ることにあるといえるでしょう。BMWグッゲンハイム・ラボの詳細については、11月1日発売号の誌面でお伝えしますので、楽しみにしていてください。


さて、こちらの写真ですが、近く5番街に進出するユニクロの移動式店舗。高架鉄道線路跡を再開発し、ニューヨーカーの憩いのスポットとして人気を博す「ハイライン」の下に、期間限定で出現中です。中を覗くと、色とりどりのカシミヤセーターが並んでいました。

BMWグッゲンハイム・ラボ
期間:10月16日まで
時間:13時~21時(水曜・木曜)、13時~22時(金曜)、10時~22時(土曜・日曜)
場所:「First Park」(33 E 1st Street, New York)
入場料:無料