AXIS 154号は11月1日発売です!

カバーインタビュー アレハンドロ・アラヴェナ(建築家)
「現実の制約のなかでやるからこそ、クリエイティビティが要求される」
「理念はどうでもいい、大事なのは制約と規制である」と語るのはチリの建築家アレハンドロ・アラヴェナ氏。目の前の現実を受け入れ、逃げることなく、問いを繰り返し、不要な要素を削ぎ落としながら、核心へと迫る。制約があるからこそプロとして創造性を発揮できるという氏の姿勢は、あらゆる分野のクリエイターにとって励みになるはずだ。

特集 「リサーチの力」
プロジェクトを前に、何らかのリサーチをするのは当たり前のこと。ここで紹介するのは、単なる“デザインプロセスにおけるリサーチ”ではなく、新たな視点やコンセプトへとつながる事象とそのリサーチ。いかにして視野を広げ、革新的なアイデアを生み出して、新たな可能性につなげていくかという事例である。

匠のかたち 「能面」
能面は生きている、と能楽師は言う。少しの角度で表情を変える能面は、確かに、ただそこにあるだけでも、何かを訴えかけているのがわかる。無垢の木から打ち出された面には、精気が宿っている。能面師が「かたち」にしているものとは何か。現代を代表する能面師のひとり、高津紘一の工房を訪ねた。

オピニオン ローラント・シュヴェアトナー(ノモス・グラスヒュッテ 設立者&オーナー)
「永遠にいいものを開発するマニュファクチュールであり続ける」
機械式時計のブランド「NOMOS(ノモス)」はグラスヒュッテ伝統の職人技術とデザイン、テクノロジーを融合させ、ドイツの時計史に新章を開いた。市場におもねることなく、独自の哲学でノモスをここまでに育て上げたローラント・シュヴェアトナー氏。ドイツ時計産業の聖地、旧東ドイツのグラスヒュッテに氏を訪ねた。

新連載 東京土木LIFE 第1回「男気ある佇まい」
「土木が東京を支えている!」とは言い過ぎかもしれないが、僕らが当たり前の生活をするうえで、土木が担う役割は大きい。高速道路や橋のようにわかりやすい土木から、地下に埋もれて誰にも気づかれない土木、建築だけど土木っぽいもの、街という広いくくりのものまで。身の周りにはたくさんの土木が溢れていて、その影響を受けながら僕らは生活している。そんな土木目線から見た東京の暮らし方を紹介する。

トピックス 人との関わりのなかで育む新たなデザインーーデザイナー鈴木清巳によるカーボンファイバー製の家具
2010年秋、東京・西麻布のギャラリー「夢のカタチ」で「ゼフィ」というカーボンファイバー製の椅子を発表した鈴木清巳は、イシマルに席を置く若手デザイナーである。そのシリーズ第二弾として、この11月には照明が一体となったテーブル「クローリス」を同場所で発表する。自身にとってはまだ2作品が完成したばかりだが、周囲の人々を突き動かしながら、同時に知識も貪欲に吸収していく、期待のデザイナーだ。

トピックス 都市にインストールされた移動式実験室ーーBMWグッゲンハイム・ラボ
山積する未来の都市課題について、デザイン、建築、芸術などの分野と連動しながら6年間にわたって回答を模索するプロジェクトが、ニューヨークを皮切りにスタートした。「BMWグッゲンハイム・ラボ」と名づけられたその試みは、可動式の施設を活動拠点に世界中の都市をツアーしながら、都市が抱える課題に対して持続可能な解決策を見出すことを目指す。

トピックス 都市の姿を映し出す異形体としての建築ーー磯崎 新による上海・ヒマラヤセンター
建設中から道行く人々を驚かせていた磯崎 新設計のヒマラヤセンター。複雑な曲面を持つファサードを間近で見上げると、今にも動き出しそうなエネルギー持つ巨大な生き物のようにも見える。2010年10月に外装が完成。今年4月には建物片側にジュメイラ上海ヒマラヤホテルがオープンした。アジア随一を目指すコンプレックスビルの全貌が、次第に明らかになりつつある。

その他連載
ザ・プロトタイプ 「ヤマハ 新オーディオシステムのプロトタイプ」
まばたきの記憶 「まばたき採集とカメラ」
廣村正彰のJunglin 「左上を狙え!」
本づくし・書評 椿 昇/葉田順治/深澤直人
クリエイターズワーク&ソウル 神原秀夫 /平沼孝啓

その他トピックス
「D」の下に甦るデトロイトーー都市の資産を未来に向けて描き直すために
サルト&シグスゴーによる国連ビル「フィン・ユール・ホール」改修にともなうデザイン
ミッドタウンデザインアワード 2011ーー新しい才能とデザイン、応援するために
第6回 金の卵オールスター デザインショーケース など