“荷重によるたわみ”という自然な姿を形にした什器
「Shelf, 2009」

展示や内装の設計・施工を手がける丹青社が、2009年から新入社員教育の一環として行っている「SHELF制作研修」。本連載では、研修に参加された丹青社の方々に、それぞれの作品について語っていただきます。第1回でご紹介するのは「Shelf, 2009」。

「一枚板のようなシンプルな存在感。“荷重によるたわみ”という自然な姿」

この何気なく佇む「Shelf, 2009」、実はかなりの曲者です。本が載ったことによってたわみが起きているのではなく、元々この形状なのです。

この什器は、私たちに多くの経験をさせてくれました。本が載っても載らなくてもこの形状を崩さないこと、かつ存在感はありながらも限界まで薄くあること、という目標のもと試行錯誤の繰り返しでした。荷重がかかるとどういう挙動をするのか? 補強は金物か、はたまた別の素材か? クリアランスって? 突板ってどうやって貼るの? というかコレ自立しませんよね? 壁いる? もっと補強がいる?

一緒になって悩んでいただいた協力会社との打合せでは、初めてづくしでわからないことがいっぱいです。まずは話の内容を1つ1つ確実に理解して、同じ目線で話を進めることからはじめました。どんなことでも、わからないことをそのままにすると、必ずどこかで同じ壁にあたるからです。そしてもう1つ必要なことは、まず自分で考え抜いてみることです。どんなに未熟なアイディアでも、精一杯ひねり出して考えたことは、相手にもその熱意が伝わります。何より自分が本気で考えないと、周りも本気で応えてはくれません。

この「人づくりプロジェクト」では、多くの人と人との関わりのなかで、何よりも大事な「仕事を行う姿勢」を身につけることができました。ここで得た経験は今日でも大きな糧として生き続けています。(文/山下 純、丹青社 CS事業部 コミュニケーションデザイン統括部 デザイナー)

「Shelf, 2009」
デザイン:山口 誠(山口 誠デザイン)
協力会社:(株)ヒノキ工芸、(有)ラフィーネ・メタル ほか
撮影:ピップス 御園生大地

この研修成果については、20119月27日(火)〜10月5日(水)までアクシスギャラリーで開催された「人づくりプロジェクト SHELF展」において、展示報告されました