空間のシンボルとなる『木』のシェルフ
POINT 長岡勉「tree-shelf」

「空間のシンボルをつくるということ」

「空間のシンボルとなるSHELFをつくりたい」。POINTの長岡 勉氏と初めてお会いしたときの言葉でした。木であり、かつSHELFである。切り株のような、枯れ木のような、サボテンのような。そんなSHELF。すべては1枚のスケッチから始まりました。最初に取り掛かったのは、このスケッチを原寸大の模型として再現することでした。長岡氏がまず10分の1の模型をつくり、360度すべての角度からのデザインを徹底的に検証。模型をつくっては壊しを繰り返し、最後に原寸模型を完成させるまで、実に1カ月を要しました。デザインのイメージをカタチにしていくプロセスを目の当りにすることで、「建築・インテリア・そして家具までを1つの連続した環境として捉える」という、長岡氏のデザインに対する意識を肌で感じることができたと思います。

やっと決定したSHELFのデザインですが、すぐに製作という訳にはいきませんでした。製品化のためのプロトタイプを目指す以上、コスト・安全性のクリアが絶対条件だったからです。まず、このSHELFが置かれる状況を想定しました。例えば重い書籍を載せて子供が寄りかかっても倒れないよう、最も安定した自重に調整するなど、安全性を確保。また、全95にも及ぶ部材を1つ1つ図面化し、製作時には工場で常駐管理して最小限の材料費に抑えました。

こうして2カ月をかけて「tree-shelf」は完成しました。最後にこのSHELFが空間に据えられたとき、“シンボル”という意味が、空間を単に彩るのではなく、それ置くことで初めて“空間が構成される”という意味であることを知りました。(文/飯村達也、SE事業部 第1PM統括部 制作)

「tree-shelf」
デザイン:長岡 勉(POINT)
協力会社:(有)イーシー・キッツ ほか
撮影:ピップス 御園生大地

展示や内装の設計・施工を手がける丹青社が、2009 年から新入社員教育の一環として行っている「SHELF制作研修」。本連載では、研修に参加された丹青社の方々に、それぞれの作品について語っていただきます。また、この研修成果については、20119月27日(火)〜10月5日(水)までアクシスギャラリーで開催された「人づくりプロジェクト SHELF展」において、展示報告されました。