自宅で炭酸飲料をつくるという選択
SodaStream(ソーダストリーム)が誕生

泡のはじけるスパークリングウォーターがほしくなる季節。スーパーの棚には、さまざまなブランドの炭酸水が並ぶようになった。

こうして選択の幅が増えるのはうれしいけれど、気になることがある。日本で1年間に消費される炭酸飲料の量は、缶・ビンを含めて500ml容器に換算すると1世帯あたり約370本にも上るという事実。毎日1本近いボトルを消費していることになる。もちろん、廃棄されるボトルの8割はリサイクルに回っているが、そのための費用やエネルギーはゼロではない。そのことを考えると、初めから消費しないのが、環境に負荷をかけない点でもいちばん良いのだろう。

▲ 水を満たしたボトルをセットし、ボタンを押せばわずか数秒でスパークリングウォーターができあがる。ボタンを押す回数で、炭酸の強度を好みに調整可能。

そうは言っても、暑い日差しが照りつけるこの季節、炭酸水や炭酸ジュースでのどを潤したいという欲求を抑えることは難しい……。そんなときにそばに置いておきたいのがイスラエル発の家庭用ソーダメーカー、SodaStreamだ。

専用ボトルに水を入れ、ソーダメーカーに取り付けたら、あとは本体に内蔵された炭酸ガスを注入。これだけで自宅で簡単に炭酸水ができてしまう。さらに、そこにさまざまなフレーバーのシロップを入れることで毎日違う味の炭酸ジュースも楽しめる。SodaStreamがあれば、重い炭酸飲料をわざわざ買う必要がなくなり、ゴミの削減にもつながるという優れものだ。

▲ 専用シロップの一例。他にも、レモンライムやキウイ・ペア、ピーチティなど多彩なテイストが揃う。フレーバー1本で12リットル分のソーダドリンクが楽しめる。

こうした利点もあり、SodaStreamは発売以来すでに世界43カ国の家庭で愛用されている。日本でも2011年秋に販売が始まるとTVや口コミで評判が広がり、日に180台を売るというショップも登場した。

便利でエコロジカルというだけでなく、設置するシチュエーションや使い方に合わせてデザインが選べる点も顧客の幅を広げている理由の1つだろう。ラインナップは現在6種類。例えば、最もシンプルなモデルといえる「Pure(ピュア)」(*現在は販売終了)のデザイン。ガスボンベの収まる部分を本体に組み込んだソリッドな外観は、スレンダーでどんなキッチンカウンターにもしっくり収まってくれる。

▲ 最もシンプルなモデルがこちらの「Pure(ピュア)」。写真は本体カラーがスチールのタイプのもので、他にホワイトタイプもある。

個性的なデザインを望む人には、ガスボンベや専用カラフェを収めるスペースがペンギンの胴体と一体となった「Penguin(ペンギン)」(*現在は販売終了)モデルがお薦め。素材にステンレススチールを用いたハイエンド仕様だが、ペンギンの口の形をしたつまみを押すことでガスが注入されるなど、ソーダメーカーを感じさせない愛嬌溢れる外観や操作方法は、老若男女を問わず多くの人が集う場で活躍しそうだ。

▲愛嬌たっぷりのスタイリングが特徴の「Penguin(ペンギン)」。スターターキットには、専用のガラス製カラフェが2本付く。キッチンなどに置いた際の存在感は、ラインナップ中群を抜く。

同じくデザインが印象的なのが、最新モデルの「Crystal(クリスタル)」(*現在は販売終了)。筒型になったブラックボディはPenguin同様、専用カラフェを完全に本体内に収容でき、キッチンツールとは思えないシックな佇まいが特徴。オーディオ製品のように、リビングルームに置いて楽しむのもいいかもしれない。

▲エレガントでスタイリッシュなデザインが魅力のモデル「Crystal(クリスタル)」。世界的なデザイン賞の1つであるグリーン グッドデザイン賞を受賞するなど、持続可能な製品設計に対する評価も高い。

このように、キッチンの棚にしまうのではなく、カウンターなどに置いたまま“見せる”ことを意識したデザインが貫かれているのもSodaStreamの特徴だろう。

さらに、今春開催されたミラノサローネでは、イヴ・ベアールをデザイナーに迎えた新モデルを発表し、同社のデザインに対するこだわりはいっそう強化された(この内容は現在発売中のAXIS158号に詳しい)。環境配慮とデザインを高次元で融合しながら、スパークリングウォーターの新たな楽しみ方を提示するSodaStreamの動向からは、しばらく目が離せそうにない。(文/長谷川香苗)

SodaStream
問い合わせ:0120-286-230