第43回AXISフォーラム「トネリコ」レポート
インテリアデザインの深さについて語る

12月6日(木)にAXISギャラリーで、トネリコによるフォーラムを開催しました。テーマは「インテリアデザインの深さについて語る」。トネリコを立ち上げた米谷ひろし、君塚 賢、増子由美の3人揃っての登壇は珍しく、会場にはプロのインテリアデザイナーから大学生までの大勢の方が集いました。

「インテリアデザインの深さについて語る」というテーマは、カバーインタビュー中に米谷さんが語った言葉。会場では、誌面では伝えきれなかった、「深さとは密度のこと。デザインをするうえでのさまざまな要素を抽象化、単純化することで密度は上がる。それを空間のなかにおける目に見えない形としてデザインしてくこと」と説明。また、「日常・脱日常・非日常ーー日常がなければ脱日常も存在しない。脱日常と非日常の区別を自分のなかでしっかり持っていなければいけない」とも語りました。

さらに、「MEMENTO」「WAー現代日本のデザインと調和の精神 展」「青山見本帖」の3つのプロジェクトについて解説。フォーラムに来てくださった青山見本帖の方が、「紙を出すために棚の前に立つとき、姿勢をただすような気持ちになる」と語るなど、会場を巻き込んだトークになりました。

後半では、8月に完成した米谷・増子の自邸「Y-house」の画像を紹介。「引き手のしゃくり」のデザインについてや、施工前の状態との比較など、ディテールまで徹底したこだわりの様を披露しました。最後には、建築から手がけた竣工間際の群馬県沼田のオフィス空間について語り、質疑応答に。約1時間半のフォーラムはあっという間に終了しました。

群馬・沼田に12月9日に完成した株式会社サンポウのオフィス。建物の周りにおよそ100台分の駐車場がある敷地。それゆえ、約50mに及ぶ細長い長方形の建物とし、すべての部屋に自然光が注がれる空間としたという。
Photo by TONERICO: INC.

今後もAXISでは、カバーにご登場いただいたクリエイターの方を中心にフォーラムを開催していきますので、どうぞご期待ください。