AXIS 163号は5月1日発売です。

カバーインタビュー 伊藤穰一(MITメディアラボ所長)
数々のIT企業を立ち上げてきた起業家にしてベンチャーキャピタリストの伊藤穰一氏。2011年9月のマサチューセッツ工科大学 メディアラボの第4代所長への就任は少なからずわれわれを驚かせたが、その“型破り”ともいうべき経歴があるからこそ、“イノベーションの殿堂”であるメディアラボのトップに抜擢されたのである。メディアラボでの新たな活動を通して、氏のこれからのビジョンについて語ってもらった。

特集 デジタルファブリケーションの未来図
3Dプリンターやレーザーカッターの普及によって、“メイカームーブメント”と呼ばれる新たなモノづくり革命が起こりつつある。そのうねりは、ほしいものは自らつくるという個人の創造意欲や起業を後押しするだけでなく、既存のデザイン開発や企業の生産フロー、製品流通のあり方にも変革をうながそうとしている。デジタル工作機械とネットワークを駆使したアプローチによって、モノづくりはどこまで進化するのか。その最前線に迫る。まずは、渋谷から……。

匠のかたち 籐椅子
陸上で最長の植物といわれる籐(ラタン)。しなやかで曲げに強く、加工が自在なため、古来、刀の柄に巻いたり、編み上げて籠や椅子にするなど、さまざまな用途で使われてきた。籐の椅子は使い込むうちに人の身体に沿った形となるため、このうえない座り心地を得られるという。職人が丹念に編み上げているのは剣持 勇がデザインした「C-3150 アームレスチェア」、通称「ラウンジチェア」。1964年、マルセル・ブロイヤーの推挙により、ニューヨーク近代美術館の永久コレクションに選ばれた、世界に誇る日本の名作だ。およそ3日をかけて編み上げる、籐椅子の完成までを取材した。

オピニオン シセル・トラース(におい研究家・においアーティスト)
「においに対して寛容になることで、より良い未来へとつながっていける。」
1990年より「においと言語・コミュニケーション」をテーマに、世の中の“におい”と人間、そして社会との関係性について研究を続けてきたシセル・トラース氏。その独自性溢れる研究内容によって、さまざまな分野とのコラボレーションを繰り広げるとともに、既成概念にとらわれない姿勢が数多くの人々に多大な影響を与えてきた。ベルリンの「スメル・リサーチラボ」にトラース氏を訪ねた。

トピックス MITメディアラボの最新プロジェクト—求めるものは「ユニーク、インパクト、マジック」
本号の表紙インタビューで所長の伊藤穰一氏が語るとおり、MITメディアラボが求めるものは「ユニーク、インパクト、マジック」。そのために、設立以来、常に研究内容の刷新が行われてきた。ここでは、そんなメディアラボから最新のプロジェクトを紹介する。

トピックス  韓国における工芸とデザイン—新たな伝統をつくり出す「扶余プロジェクト」
今年1月、ソウル市のイェオル・ハノク・ギャラリーで開催された「プロジェクト」展 。それは、韓国の新たな伝統工芸の姿を模索しながら、ものを超え伝統そのものを再構築する試みだ。主導したのはひとりの日本人デザイナーである。

その他トピックス
世界水準のデザイン人材育成「グローバル・イノベーション・デザイン・プログラム」
南アフリカのデザインスタンダードをリードする「デザイン・インダバ」
AXISギャラリー&シンポジア卒業制作展レポート2013
対話を通じ、アイデアを共有する場を目指す「Collective Dialogue」

その他連載
ザ・プロトタイプ tangent:「KIHOU」
廣村正彰のJunglin 「古くて新しい『わび、さび』と『かわいい』」
東京土木LIFE 「橋の付加価値」
本づくし・書評  丸山公顧/串山久美子/深澤直人
産学共同の正しいやり方 「東海理化と岡山県立大学、長岡造形大学、武蔵野美術大学」
クリエイターズワーク&ソウル 柴田映司/胡佑宗 ほか

デジタル版はこちらから。
Zinio