PM2.5に怯えつつも降り立った北京
現地から照明事情のレポートです

北京の某現場での照明調整があり、PM2.5に怯えながら、とりあえず宿泊先へと移動中のスナップです。天気は晴れているのですが、霧に包まれたような街並み。この建物の後方にもきっと何か存在しているのですが、はっきり窺い知ることはできません。

街の中心、王府井にもヒルトンホテルがありますが、空港に比較的近い三元橋のヒルトンホテルの客室。ビジネスユースが多いせいか、デスク周りはアダプターやコンセント、DVDやCDなどがぎっしりレイアウトされてます。狭い部屋にありがちな壁に向かってのテーブルレイアウトでないのが嬉しい。

ヒルトンの斜向かいに聳え立つウェスティン北京朝陽ホテル。シンボリックな光柱に多数のLEDを携えた鏡面の天井です。米国のブッシュ前大統領が北京オリンピックの開会式の際に宿泊したらしいのですが、大統領の嗜好はもう少しコンサバティブな空間なのかなと思いました。

そのウェスティンホテル内に今年7月にオープンしたばかりの日本料理「舞」の店内の様子です。私が照明計画を担当したのですが、諸事情があって最終照明調整に入ることができなかったので、北京のついでがあった際にぜひ確認したいと考えていました。意外と早くその機会が訪れました。

壁面のアートパネルの間接照明が綺麗です。北京の施工レベルが安定していないとクライアントから聞いてたので、少しほっとしました。

今回の現場のあるショッピングセンター、芳草地(Parkview Garden)内の公共通路です。斬新な多角形の建築物を1歩入ると、巨大なアトリウムを縦断するようにブリッジがあります。基本的なベース照明はなく、ブリッジの中央を閃光のように走るブルーのフットライトが印象的です。照度にナーバスになっている日本のショッピングセンターとは対照的な感じを受けました。今回の主目的である現場調整は工事が遅れていて、写真をお見せできないところが残念ですが、また何かの機会で紹介できればと思います。

いったん現場から離れてヒルトンホテルのクラブラウンジへ。一見するとホテルのメインロビーのような空間ですが、これはクラブフロアーのラウンジです。ビジネスユースが多いせいか、広く開放的なアトリウム。私は海外での仕事のときに、こういったラウンジのビジネスサポートにかなり助けられています。映画の「マイレージ・マイライフ」のようにはいかないですが、あんなビジネスライフに密かに憧れています(笑)。(文/マックスレイ 伊藤賢二)

この連載コラム「tomosu」では、照明メーカー、マックスレイのデザイン・企画部門の皆さんに、光や灯りを通して、さまざまな話題を提供いただきます。