植田正治を慕う人たちによる、もう1つの生誕100周年記念写真展
「うえだ好き」が開催

▲写真/ 瀬尾浩司

日本を代表する写真家のひとり、植田正治(1913~2000)の作品を集めた生誕100年記念展「生誕100年! 植田正治のつくりかた」が現在、丸の内の東京ステーションギャラリーで開催中ですが、故郷であり、活動のベースであった鳥取の植田正治写真美術館でも、生誕100年を祝うユニークな写真展が今月末より催されます。

「うえだ好き」と題された本展は、植田正治に師事した写真家、瀬尾浩司さんの呼びかけで企画されたもの。写真家はもちろん、デザイナー、編集者、俳優、ミュージシャンなどの肩書きを持つ総勢50名が、自ら撮り下ろした写真と言葉でもって、植田の作品世界を語ります。その内容からは、植田の写真を敬愛して止まないクリエイターたちの愛情がひしひしと伝わってくるかのようです。

人をオブジェのようにして風景に溶け込ませる“植田調”と呼ぶ特徴的な撮影法に対するオマージュから、幾何学的な画面構成やモノクローム調のものまで、展示写真の多彩さは植田の自由でしなやかな感性を称えているかのようです。写真を通じて共有する親密な物語を紡ぎだそうとする出展作家らの眼差しに、植田正治という稀代の写真家の存在の大きさを、改めて実感させられるのではないでしょうか。

▲写真/ 久家靖秀

写真展「うえだ好き」
出展作家:安珠、石塚元太良、井津由美子、井上佐由紀、上田義彦、片桐飛鳥、菊池武夫、久家靖秀、グーフィ森、小林 昭、小林紀晴、小林伸一郎、小林敏伸、今 道子、佐野史郎、島武 実、十文字美信、新津保建秀、菅原一剛、鋤田正義、鈴木博之、瀬尾浩司、高原 宏、瀧本幹也、田口淑子、津田 直、土屋直久、泊 昭雄、中野正貴、中藤毅彦、中道 淳、沼田早苗、蓮井幹生、ハービー・山口、平間 至、広川泰士、藤井 保、藤塚光政、ブルース・オズボーン、本城直季、マーク・ヒガシノ、水越 武、宮原夢画、村越としや、本橋成一、遊佐未森、吉田十紀人、与田弘志、若木信吾、渡邉博史(五十音順)  
                               
会場:植田正治写真美術館 D展示室(鳥取県西伯郡伯耆町須村353-3)
料金:一般800円(700円)、高校大学生 500円(400円)、小中学生300円(200円)
※()内は20名以上の団体料金となります。
会期:2013年10月30日(水)〜11月30日(土)
休館日:11月5日、12日、19日、26日
問い合わせ:Tel. 0859-39-8000
URLhttp://www.japro.com/ueda