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小林紀晴 著『写真と生活』


写真と生活
小林紀晴 著(リブロアルテ 1,000円)

平間 至、本城直季、瀧本幹也、石川直樹といった12名の写真家に、自らも写真家の小林紀晴(こばやし きせい)が会いに行ったエッセイ集。『日本カメラ』誌の連載を書籍化したものだ。「写真で生活していくことが、果たしてどういうことなのか」を12名の写真家の肉声を通して見つめている。

本書あとがきには、「写真を始めたばかりの人、これから始めようとしている人に読んでもらいたい、という想いがあった」「写真を撮り、それで生活していくということは実は最大の関心事でありながら、学校の先生も評論家もキュレーターも教えてはくれない。もちろん簡単に教えられるものでも、その通りにやっていけばうまくいくものでもないのだが」と綴られている。

問いと答えを繰り返すなかで語られる小林の思い。12名の写真家の姿を飾らない言葉で見事に浮かび上がらせている。新書版、262ページ、モノクローム。

以下、目次より。


平間至   光と影と再生

野村佐紀子 どこでもなく いつでもなく でも絶対どこか

亀山亮   八丈島発 忘れられた戦争

藤代冥砂  動から静へ 外から内へ そして遠くへ

金村修   黒いサングラスとプラウベルマキナを持った男

宮下マキ  生きるあなたを撮りたい

高木こずえ 生と死の間の空間がキラン☆ってなる感じ

ERIC    カメラは世界認識のための武器 撮影は戦い

山田敦士  いま、僕たちができることをやる

本城直季  自分は作られた街に住んでいる

瀧本幹也  永遠の写真少年

石川直樹  漠然と「世界」に行ってみたかった

小林紀晴  あとがき