“未来のカバン 2013 モチハコブカタチ展”が
エース東京店「世界のカバン博物館」にて開催

2011年からスタートした、カバンメーカーのエースと東京藝術大学美術学部デザイン科との共働プロジェクトは、学生のスキルアップやモチベーションの向上などを目的に、今年で3年目を迎えます。展覧会タイトルにもあるように、このプロジェクトが目指すのは、学生の目線でモチハコブものの意味をとらえ直し、新たなカタチとして世に提案することです。

「未来のカバン」というテーマが与えられた本年度。プロジェクトに挑んだのはデザイン学科の1年生、総勢45名です。学生ならではの自由な発想が求められたことは言うまでもありませんが、同時に、提案の具体性も要求されていることは、設定された条件からも見て取れるのではないでしょうか。

例えば、身の回りの品から握り形状の問題点を見出し、その解決につながる造形表現を盛り込むこと、という条件もその1つ。当然学生には、カバンの歴史や既存のカバンのリサーチの徹底が求められました。また、社会情勢をつぶさに観察し、そこから将来のライフスタイルを予見して、未来の生活に相応しい造形を打ち出すことも、設定された条件の1つだったといいます。

▲「3D file」と題された渡部真誉乙さんの作品。

入学して間もない1年生にとり、このプロジェクトをこなすのは決して容易ではなかったはずです。そうした経験の浅さは提案を陳腐化させる場合もありますが、他方で、価値観に縛られない自由なアイデア、思いもしなかったカバンの誕生を促すことも少なくありません。

何よりも「経験のない者だけが許された、衒いがなく、人目を気にしない『何これ』と言わせる不可解なカバンができることを密かに期待しています」という大学側のコメントが、このプロジェクトの真の狙いを言い当てているかのようです。その正否については、会場に並んだ作品を通じて確認ください。会期は11月18日(月)〜12月26日(木)までとなります。

▲風呂敷から着想された新ジャンルのカバン「WRAPBAG」は、畝見謙人さんの作品。自己を主人公にせず、他者のためのデザインを目指すこと、フォルムと機能を際立たせるため色は白を基調とし、全体の統一感を図ること、なども課題条件に。

2013 モチハコブカタチ展―未来のカバン
会場エース東京店「世界のカバン博物館」8F 企画展示ゾーン(東京都台東区駒形1-8-10)
会期:2013年11月18日(月)~12月26日(木)
開館時間:10時~16時30分(入館は16時まで)、最終日は15時までとなります
入場料:無料
休館日:日、祭日
問い合わせ:tel. 03-3847-5680