TOTOが
「ネオレスト」20周年の記念展示 TOKYO DESIGNERS WEEKにて

TOTOのウォシュレット一体形便器「ネオレスト」発売20周年に合わせた展示が、TOKYO DESIGNERS WEEKで始まっています。

これは、1993年の初代から7代目となる「ネオレスト AH」の世界観を、トラフ建築設計事務所、初代ネオレストデザイナーの橋田規子さん、野老朝雄さん、ミヤケマイさんという4組のクリエーターが空間として表現するもの。それぞれのクリエーターが、ネオレストからイメージすることをキーワードにインスタレーションを制作しています。

▲ 箱型のTOTOブースの壁を覆う建築家でアーティストの野老朝雄さんによる「野老文様ネオレスト」

例えば、アーティストの野老朝雄さんは「繋げる事」がキーワード。ネオレストの登場によって、水を貯めておくタンクが必要なくなり、トイレ便器は空間のなかで独立した存在のようになりました。「実際は、目に見えないところで便器は給水、排水管とつながっているのだけれど、それを見えないようにしているところがネオレストのすばらしいところ」と野老さんは説明します。その「見えないつながり」を視覚化すべく、野老さんはネオレストの渦巻きをパターン化した図像で全体を覆いました。

▲ ネオレストの特徴であるトルネード洗浄を可視化したパターンの数々。トイレ便器を覆っているパターンには関連性がないように見えますが、よく見ると隠し絵のようにパターンのなかに規則性が隠れていることがわかります

ネオレストからアーティストのミヤケマイさんが思い浮かべたのは「見えないもの」。「海外にいると日本のトイレがとてもありがたく、愛おしくなります。こうしたトイレをつくってきたTOTOさんの未来志向を感じずにはいられません」と言うミヤケマイさん。「愛」「未来」といったTOTOが持つDNAをアートで表現します。

▲ ミヤケマイさんの作品は暗い便器のなかを覗き込むと、「アムール」にちなんだ19世紀フランスの小説家スタンダールからの引用が浮かび上がります。どんな仕掛けかは、会場で体験してください

初代ネオレストのデザイナー、橋田規子さんは、「ヒストリー、象徴」をテーマにネオレストの歴史を振り返る展示。そしてトラフ建築設計事務所は、トイレットペーパーを使い、スケール感を失うようなインスタレーション。トイレでの安心感をテーマにしたそうです。あっと思うところにトイレットペーパーが隠れています。

トイレを「見せるもの」に変えたTOTOのネオレスト。4人の展示は、それを簡潔に表現しています。(文・写真/長谷川香苗)


TOKYO DESIGNERS WEEK

会 期:2013年10月26日(土)〜 11月4日(祝月)
    11:00~21:00(最終日は20:00まで)

会 場:明治神宮外苑 TOKYO DESIGNERS WEEK
    DESIGN NEXT(TENT内)

入場料:当日1日2,500円