トラフ建築設計事務所によるユニークな展覧会が始まっている。
これまで手がけた建築模型や商品を並べるような作品展ではなく、クリエイションギャラリー G8の会場を使って、ここにしかない空間をつくり上げていて興味深い。
会場入ってすぐに登場するのは、「鍵盤をたたいてください。」「バネをたたいてください。」と書かれたパネルと、木片や発砲スチロール、ブリキの缶やバネ……。トラフ建築設計事務所の鈴野浩一は、「発砲スチロールはこの魚のものがいちばんいいんですよ」「ほら、宇宙のような音がするでしょう？」と楽しそうに説明する。
そのほかにも、「中を覗いてください。」「シュートしてください。」といった具合に、数々のパネルが掲げられている。その言葉に沿って、顔を近づけてみたり、滑車をまわしてみたり……。すると、思いもかけないものが現れたり、反応が返ってきて、驚かされる。
訪れた人が子供のように楽しめる。それでいて、背景にはトラフ建築設計事務所らしい、これまでのものづくりのアイデアやプロセスが凝縮して詰まっている。
来場者が積極的に関わる展覧会のかたちとして、その即興性も含めて、新しい試みだ。
「TORAFU ARCHITECTS ここをホッチキスでとめてください。」
会期 1月17日（金）～ 2月13日（木）
11:00〜19:00
日曜・祝日休館
＊入場無料
