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奥村文絵 著『地域の「おいしい」をつくるフードディレクションという仕事』

『地域の「おいしい」をつくるフードディレクションという仕事』
奥村文絵 著(青幻舎 1,890円)

「つくる人」と「食べる人」の橋渡し役として、フードディレクターという新しい領域で活動するFoodelco.inc(フーデリコ)の奥村文絵。

自身初の著書となる本書では、これまで手がけてきたさまざまな商品開発やブランディング例をとおして、各地域の食にまつわる課題や、関わる人々の思いを丁寧に拾い上げ、新たな「食」のあり方を模索するプロセスが綴られている。同時に、日本の専業農家の平均年齢が66歳であるとか、東京の食糧自給率が1%であること、野菜の茎や葉を見たことがない消費者といった、つくり手と食べ手のあいだにある、さまざまな隔たりを浮き彫りにする。

奥村の活動は、暮らしの根幹に関わる「食」をテーマにしているだけに、一次産業や地域の食文化、歴史といったものにまで遡り、同時に、現代日本のさまざまな課題にも通じているようだ。食品の商品開発やパッケージデザインといった話ではなく、地域と都会、つくる人と食べる人をつなぐための試みをとおして、豊かな暮らしとは何かを問いかける。

アートディレクションは中村至男。208ページ、四六判、並製。
以下、目次より。


第1章 フードディレクションとは

第2章 地域の「おいしい」のつくり方
    金沢市(石川県) 商品開発支援プロジェクト
    遊佐町(山形県)「彦太郎糯」他 地域食ブランド開発
    滝川市(北海道)「イル・チエロ」リノベーション
    ハインツ日本  「ハインツのある物語」 ウェブコンテンツ制作
    穂坂町(山梨県)「ヴァン穂坂」他 地域食ブランド開発
    日本橋(東京都)「榮太樓總本鋪」リブランディング

第3章 消えゆく日本の食文化をつなぐ人々