NEWS | デザイン誌「AXIS」
2014.03.08 17:59
現在発売中のAXIS 168号の特集は「デザイン思考の誤解」。昨今、妙な流行り方をしている“デザイン思考”について、改めて考えていきます。
特集「デザイン思考の誤解」
今、「デザイン思考」という言葉を耳にする機会が増えている。イノベーションを生み出すための思考法やメソッドのことを指すようなのだが、その意味するところが明確でないまま、それぞれが個々の認識の下で使っているようだ。ある人は「デザイナー的思考法だ」と言い、またある人は「広義のデザインであり、あらゆる分野にデザインを導入することだ」と語る……。組織において「デザイン思考を取り入れよう」と言うものの、明確な定義と説明ができないから、上層部や周囲の理解・説得も難しい。いったいデザイン思考とは何なのか? 本特集では、その整理整頓を試みる。
IDEO CEO ティム・ブラウン氏 インタビュー
「創造的自信がなければデザイン思考には臨めない」
デザイン思考についてさまざまな意見や誤解がある現在の状況を氏はどう捉えているのか。米国シリコンバレーのIDEOに氏を訪ねた。
プロセスを単純化することの誤解/抽象的なアイデアをすぐに実体にする/デザイン思考の半分はうまくいかない……。
デザイン思考の実践事例 1
考え、行動しながら、自らを開拓していく
米ハイテック・ハイスクールに見るデザイン思考のエッセンス
サンディエゴの学校群、ハイテック・ハイスクールにデザイン思考があるとすれば、それは生徒が見通しの効かない未来で、自分の道を開拓していく際の思考プロセスだろう。ここでの教育は、自由さのなかで考え、判断し、行動する自覚と自己責任を養うことだ。受け身で臨み、記憶するだけの授業からは想像もできないほど、ここからはたくさんのモノが生み出されている。
デザイン思考の実践事例 2
カオスパイロットに学ぶ、渾沌な状況を突破するクリエイティブリーダーシップ
日常生活における国民の満足度の高いデンマークで、毎日のように混沌とした状況が繰り広げられている場所がある。第2の都市、オーフスにあるビジネスデザインスクールのカオスパイロットだ。型破りな名前は、カオスな状況でもパイロットのようにナビゲートできる人材を育てることに由来している。複雑化した社会における答えのない課題への取り組みを意図的につくり上げ、カオスのなかで展開されるデザイン思考の取り組みとは。
「デザイン思考とは、0から1の実際のモノをつくり出すこと」
慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 教授 奥出直人氏インタビュー
日本においていちはやく「デザイン思考」を紹介し、実践を続けてきた、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 奥出直人教授に、改めてデザイン思考とは何かを聞いた。
矮小化されているデザイン思考/クリエイティブであるだけでは意味がない/なぜ成果に結びつかないのか……。
デザイン思考の実践事例 3
デザイン思考とは“デザインドゥーイング”にほかならない
スキルズ・ディベロップメント・スコットランド
スキルズ・ディベロップメント・スコットランド(SDS)は、スコットランドの優良な雇用を促進するために、求職者と雇用者の双方を指導する公共機関。2008年の発足以来、「プロジェクトチームにデザイナーを入れる」ことを奨励するだけでなく、SDSの設立プロセスそのものにデザイン思考が取り入れられた。
「現状」「背景」「本質」「これから」で把握。
デザイン思考は、なぜわかりにくいのか?
IDEO TOKYOの田仲 薫と、takram design engineeringの渡邉康太郎に投げかけたのは「デザイン思考とはいったい何か」というシンプルな問い。デザイン思考をプロジェクトに日常的に取り入れ、2013年からは「Collective Dialogue」というジャンルを横断した対話型デザインセッションを共同で手がけるふたりが語ったデザイン思考の輪郭。
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