第4回産廃サミット 東京・赤坂で開催 デザイン募集中

「早いもので4回目。今年も赤坂で開催です!」って、キャプションそのままですが、“廃棄物を言い訳にしないデザイン”をテーマに、第4回産廃サミットのデザイン募集を開始しました。

場所は去年同様、プラス株式会社の赤坂ショールーム。前回とほとんど同じ開催要領に見えますが、大きく変わったのは、ナカダイ以外から取得した廃棄物を使っても良いという点。つまり、全国どこからでも、どんな廃棄物でも(もちろん、安全性は担保していただきます)OKということです。

去年、グッドデザイン賞をいただき、そのときにたくさんの方とお話させていただきました。もちろんがんばってナカダイのアピールをしましたが、それだけでなく本当に勉強させてもらった貴重な経験でした。なかでも私が気になったというか感じたのは、グッドデザイン賞がデザインコンペではなく、デザインを社会に伝える、その効果を広げる(あくまで、私の解釈です)という“活動”の側面がひじょうに強く、同時にある程度のお金もまわす必要があるという現実面です。

運営するためにある程度の資金や黒字化は必要な中で、ガッツリのビジネスではなく、公共に波及させていくことで、出展者、応募者に価値を提供していくという流れについて、私自身はどこかやもやしていましたが、日本デザイン振興会 常務理事の青木史郎さんの講演で、かなりの部分を解決することができました。ということで、私は時代の背景や成熟した社会の中、もっと廃棄物を身近に使ってもらい、応募してもらい、社会に伝え、応募者に返していくというループをより強く、推進していこうと考えました。また、大学、専門学校の授業の課題として参加してもらうことも推進し、子供の学びの材料としてのワークショップなども積極的に開催します。そこで、“廃棄物を言い訳にしないデザイン賞”という長いタイトルの賞を新設しました。もちろん、昨年に引き続き、プラスアワードもあります。

話はかわって、先日まで行われていたナカダイお台場工場で、モノ開発会議という会議を行いました。商品開発ではありません。モノ開発です。第一線で活躍している方たちと、ナカダイだけではなく世の中の廃棄物というものの生かし方、使い方、売り方、魅せ方など多様な切り口で可能性を探りました。工場に来たことのある人もいれば、はじめましての人もいる新鮮味のある会議でした。

充実した会議で内容は細かく書くときりがないので控えますが、私が最も興味深かったのは、思考というか、事象に対するアプローチの仕方です。経営者として、私がなぜこんなことを始めたかを聞いてきます。お前に何があったんだ?と。建築家として、私が何を考えて、次は何がしたくてと、私の考えを紐解き、だったらこうすればいいんじゃないか?と。デザイナーとしてなにができるかを具体的に考え出し、バイヤーとしては、たくさんの商品を見ている中で、そもそも商品化していいのか?などなど。その専門性によって、全く違う切り口でモノを見ています。こういうのを多様な価値観とというのだと思いました。どれを選択するかは別として、全く違うフィルターでモノを捉える人たちを一堂に集めて議論ができるのも、このマテリアルの魅力だなと思いました。そもそも誰かが不要と判断したときから始まるマテリアルの運命は、私たちの多様な価値感に委ねられます。責任重大です。私も皆さんも。

最後に、今年も環境展が5月27日~30日まで開催されます。素材そのものを生かすために私たちは努力していますが、生かせなかったらリサイクル素材として生かすための日本の技術の粋が一堂に会します。お時間ある方はぜひ見に行ってください。工場を見たとき同様、世界観が変わるはずです。製造するためにたくさんの機械設備が存在し、壊すためにたくさんの機械設備か存在しています。どう生かすか? 本当に、責任重大です。(文/中台澄之)

この連載は株式会社ナカダイ前橋支店支店長・中台澄之さんに産業廃棄物に関するさまざまな話題を提供していただきます。