秘密を整頓する収納
鳴川肇(AuthaGraph)「かくれんぼの引き出し」

去る10月にアクシスギャラリーで開催された、丹青社主催の「人づくりプロジェクト展2014『○○の居場所』」商業施設や博物館、展示会・イベントなどの空間の企画・デザイン・施工を手がける同社が、毎年、新入社員教育の一環として行う「人づくりプロジェクト」。その成果が発表されました。

このプロジェクトでは、新入社員全員が2人1組になり、第一線で活躍するデザイナーや一流の職人とともに、限られた予算、納期のもと、さまざまな苦難を乗り越え、プロダクトを完成させていきます。重要なのは、その過程で、これから働くうえで生涯の基本であり課題となる、人との接し方、ひいては自らの成長の必要性を学ぶということ。

今年のテーマは、「○○の居場所」。「何のためにこれをつくる必要があるのか」を徹底的にデザイナーと話し、それぞれが形にしていきました。ここではシリーズで全12作品を紹介していきます。

第1回「かくれんぼの引き出し」

○○の居場所
かくれんぼの居場所。
四角い収納箱にもう一つの収納がかくれている。
引き出しを引くと現れる普通の収納とその引き出しを
幾つも押し引きして次々に奥に通ずる裏の収納だ。
多重構造の収納にものを仕舞うことで、
「自分が何を隠したいか」の序列化ができ、秘密を整頓することができる。

新入社員の居場所(学んだこと)
たくさん考えたワクワクを、使う人にも伝えたい。
ワクワクは、見る人、使う人にさまざまな感じ方、使い方を気づかせる。
人の気持ちを動かす演出は、映像やしかけに頼らなくてもいい。

Photos by Yosuke Owashi

デザイナー/鳴川 肇、AuthaGraph
新入社員/石神條治・佐藤拓人

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