「佐野猛 吹きガラス」
ーー富山ガラス作家協会展2014より

「Old rag Blue」(吹きガラス H340/ W150/ D150mm)

私の作品は、吹きガラスとカットの技法を組み合わせてつくっています。吹きガラスの製作過程ではガラスは柔らかく、常に動いています。そのため模様は流れたりゆがんだりします。パーツをつくり、切って組み合わせ、再び吹いて形をつくるという工程によって、模様を緻密に構成することができるようになりました。

今回の作品は、いろいろな線や模様が幾重にも重なる布のパッチワークというイメージです。光を透過する色を使うので、色の重なった部分でセロハンを重ねたようにガラス独特の効果が得られます。ガラスの中に洋服などで見慣れたパターンを持ち込むことで、ガラスの素材としての面白さをより際立たせようと考えました。

佐野 猛/1960年生まれ。84年法政大学社会学部社会学科卒業。86年東京ガラス工芸研究所卒業。96年オーストラリア国立大学キャンベラ美術学校ガラス科大学院修了。91〜98年能登島ガラス工房制作スタッフ。98年「Glass Studio SANOSANO」設立。
e-mail: sanosano@castle.ocn.ne.jp

この連載は、去る3月に六本木のアクシスビル地下1階シンポジアで開催された富山ガラス作家協会展2014「ガラスが繋ぐ、人、未来」に参加した9名の作家の皆さんに、ご自身の作品とコンセプトについて語っていただきます。

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