第4回
「Bチーム MESSENGER」

こんにちは。いすゞ自動車 デザインセンターの渡辺元生です。業務では主に車両のエクステリアデザインを担当しています。今回は私がリーダーを務めたBチームの車両を紹介します。

荷物を運べるペダルカー
車両コンセプトは「MESSENGER」。メッセンジャーバイクをモチーフとした“荷物を運べる”ペダルカーです。前ヒンジで開くルーフが付いており、その上に荷物を載せることができるのが大きな特徴です。

機能性だけでなく、スポーティーさも
エクステリアは凸凹のないワンモーションフォルム。ルーフが付くことで、全体的にプロポーションが高くなってしまう恐れがありましたが、ドライバーのヘッドクリアランスは限界まで詰め、なるべく低くコンパクトに、そしてもちろん速そうに見えるよう工夫をしました。

ボディカラーは赤と白というまるでいすゞ自動車のコーポレートカラーのような組み合わせ。色味やグラデーションのグラフィック表現に工夫を加え、速さを競うレースというシチュエーションにもマッチするよう調整を行いました。赤と白の塗りわけは、細いマスキングテープを無数に積み重ねてつくり上げています。実は一晩で考えたアイデアでしたが、結果的にこの車両に大きな特徴を与えることができました。

インテリアトリムはドライバーの運転を邪魔しない機能的なエリアとして黒く処理。アクセントとして、シートには都市の地図をイメージした赤いグラフィックラインを配置しています。ステアリングポストの形状は、横から見るとゆるやかなカーブを描いており、シャシ周りの金属部品に関しても、エクステリアデザインとの関係性を考えながらデザインしています。

街中を走る様子を想像しながら…
デザインセンター内で行われた車両プレゼンテーションでは、プロジェクションマッピングに挑戦。エクステリアボディに映像を投影し、異なる車両カラーリングのイメージや、さまざまな荷物を載せられることをアピール。実際に都市を走り抜けるイメージも再現してみました。もし未来の都市にこのペダルカーが走ったらどうなるだろう。もしいすゞ自動車の車両ラインナップに、このペダルカーが加わったらどうなるだろう。レースは一段落となりましたが、まだまだ妄想は尽きません。(文/いすゞ自動車 デザインセンター 渡辺元生)

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