「CARBONE LUMIÈRES」展、いよいよ5月13日(金)スタート

建築施工会社イシマル(東京・六本木)の手がけた製品や物件は、故・倉俣史朗氏の「ミス・ブランチ」や表参道の「コム デ ギャルソン」をはじめ、国内外を問わず、デザイン界に大きなインパクトを与えたものが少なくない。設計者の意向を忠実に実現するだけでなく、代表の石丸隆夫氏がアクリルやエキスパンドメタルといった新素材の研究を重ねて設計者に提案していたように、常に新たなデザインを探究する姿勢を貫いている。

同社チーフデザイナーの鈴木清巳氏が取り組んだカーボンファイバー・ファニチャーも、その一環。2010年から開発に取り組み、椅子、ベンチ、照明付きテーブル、レセプションカウンターを完成させ、今回新たにソファを発表する。冒頭のソファの写真を見て、「これが、カーボンファイバー?」と思う人がいるかもしれない。しかし、この作品では革とのマッチングを検証しており、座面は脚部に固定されておらず、単に載っているだけ。

5月13日(金)から始まる「CARBONE LUMIÈRES(カーボン リュミエール)」展では、これら一連の作品を展示。資生堂銀座ビルのために制作したレセプションカウンターは、透過するような映像で再現するという。

カーボンファイバーの家具は、エスタブリッシュド&サンズがリミテッドエディションで出していたり、そのほかさまざまに試みられているが、他の構造材を用いず、CFRPのみで制作しているのはイシマルだけかもしれない。

家具デザインとして、素材の探究として、また、デザインへの取り組みについてなど、さまざまな角度から観ることのできる展覧会になりそうだ。なお、家具はすべて座ることが可能だ。


CARBONE LUMIÈRES(カーボン リュミエール)展

期 間:2016年5月13日(金) ~ 5月16日(月)
    11:00~20:00(最終日は17:00まで)

会 場:アクシスギャラリー
    東京都港区六本木5-17-1 AXISビル4F *地図
    TEL: 03-5575-8655(会期中)

入場料:無料

ギャラリーツアー:下記日時に、鈴木氏が作品コンセプトやプロセスなどを説明します。
         ご自由にご参加ください。
         14日(土):14時~・16時~
         15日(日):14時~・16時~
         16日(月):14時~

主 催:イシマル

協 力:アクシスギャラリー、K2、Z、BIOS映像研究所、三保谷硝子店、コクヨ、資生堂


*なお、これまでのカーボンファイバー・ファニチャーへの取り組みは、AXIS181号にも掲載しております。どうぞご参照ください。