AXIS182号は7月1日発売です。

カバーインタビュー 緒方慎一郎
卓越した「目」を持って、日本の美を感じさせる食・菓子・器・空間をつくリ続ける緒方慎一郎氏。自ら店主を務める和食店「八雲茶寮」「HIGASHI-YAMA Tokyo」、和菓子店「HIGASHIYA」のほか、プロダクトブランド「Sゝゝ[エス]」「WASARA」などを展開する。また、世界中の名だたるブランドから空間デザインやインテリアオブジェのデザイン依頼はひきも切らない。日本の生活様式をアップデートし、世界に問うのが自らの仕事と話す氏に、日本の美とは何か、日本らしさを創造することはどのような行為なのか、クリエイションの哲学を聞いた。

特集 日本式
日本の伝統文化や価値への関心が世界中で高まっている。長い時間をかけて築かれた生活の知恵、自然を慈しみそれらとの共存のうえに磨かれてきた独自の美意識は、普遍性を備えることでグローバルなものへと深化を遂げている。本特集では、こうした魅力に裏付けられた日本発祥の価値を今日的な視点で捉えなおし、新たな様式として未来につなげていくための提言や提案を紹介する。

●伊勢神宮に見る日本の真髄 隈 研吾、成澤由浩、宮澤正明
●アーティスト野老朝雄に聞く、個と群のイメージで織りなす、日本の紋
●鼎談 小池一子+須藤玲子+横山いくこ「日本と西洋、エモーショナルとロジカル」
●ジョン・ポーソンの「ミニマム」ーー言葉では説明できない雰囲気をつくる
●「襤褸」から「BORO」ヘ。日本の手仕事による布の美と衣服の記憶
●計算の宇宙を探求する「算道」
●原 研哉が考える「日本式」ーー米づくり文化の維持からツーリズム・シンキングまで、「HOUSE VISION」は日本的価値のかたまり

オピニオン 佐藤正樹(佐藤繊維社長、糸作家)
トレードマークの金髪をなびかせ、糸の原料調達や商談で世界を駆け回る。1932年創業の紡績ニットメーカーの四代目。曽祖父が近隣の農家に羊を飼ってもらい興した会社は現在、毛紡績からニット製造、自社ブランド開発、セレクトショップの運営までを手がける。独自に磨き上げた技術と持ち前の嗅覚で、「山形から世界に向けて文化を発信していきたい」と意気込む。

トピックス ツクルバが資金調達を受け、デザインファームからIT企業になった理由
2011年、村上浩輝と中村真広によって設立されたツクルバ。会員制コワーキングスペースや貸し切りパーティスペースなど空間事業のプロデュース、ベンチャー企業のオフィスにおける空間デザインといった場づくりを軸に活動を展開し、創業5年で着実に実績を伸ばしている企業だ。昨年初頭には、リノベーション住宅のオンラインマーケット「cowcamo(カウカモ)」を開始し、さらにベンチャーキャピタルなどからの資金調達を受けるなど、ここ1年半ほどで事業の方向性を転換しつつある。気鋭のデザインファームが、新たなビジネスを急展開するのはなぜなのか。その戦略を聞いた。

トピックス  国家の変革をサポートするデザイン–アイスランド・デザインウィーク「デザインマーチ」
2016年3月10日から13日まで、アイスランドの首都レイキャビクで8回目となる「デザインマーチ」が開かれた。地元デザイナーのエキシビションや家具フェア、内外の著名デザイナーによる講演……。世界中に存在するデザインウィークと何ら変わりがないように映るが、その裏では経済復興に努めるデザインセンターの大きな力が存在する。

トピックス デモクラティックな建築を目指すクリエイティブ集団ーーアッセンブル
2015年冬、権威ある英国のターナー賞を受賞したアッセンブル。社会的弱者を建築デザインの立場からサポートするプロジェクトが選ばれたことは、コンテンポラリーアートの世界に衝撃を与えただけでなく、社会の変化を強く印象づけた。現在、アッセンブルのメンバーは世界各地のカンファレンスやワークショップに引っ張り凧。各方面のメディアで紹介されているが、その実像は掴みにくい。そんななかメンバーのひとり、ジェームズ・ビニングにじっくり話を聞く機会を得た。

その他トピックス
パーソナライゼーションとイノベーションでゲームを変えるーーナイキ「イノベーション・サミット2016」
日本の繊維を元気にしたいーー職人とデザイナーをつなげる「セコリ荘」の取り組み ほか

その他連載
ザ・プロトタイプ GKデザイングループ「義足カバー」
まばたきの記憶 「背中の遠近法」 文・スケッチ/鈴木康広
本づくし・書評 前田育男/磯野梨影
産学共同の正しいやり方 武蔵野美術大学&マルアイ
クリエイターズワーク&ソウル ムスタ/両見英世 ほか

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