京都工芸繊維大学
「観光と農業のデザイン展」に見る、グローバルな産学連携プログラムとは

8月28日(日)まで開催中の「観光と農業のデザイン展」は、スタンフォード大学で始まった産学連携プログラム「ME310/SUGAR」における京都工芸繊維大学の成果発表展。

2015年度は、凸版印刷とヤンマーがスポンサーとなり、スタンフォード大学(米国)、スインバーン工科大学(オーストラリア)の学生とともに、「tabito 観光都市における異言語間コミュニケーション・システムの開発」「XS-310 大規模ぶどう農園における新しい薬剤噴霧システムの開発」を手がけた。会場では、それらの開発プロセスとコンセプトモデルを展示する。

会期初日には、本プロジェクトを推進する京都工芸繊維大学KYOTO Design Lab(D-Lab)の小野芳朗ラボラトリー長やジュリア・カセム特任教授らが登壇。学生たちもそれぞれプレゼンテーションを行った。

スポンサー企業からは「9カ月という開発スピードに驚いた。社内ではなかなかそうはいかない」「社内や調査会社のユーザーリサーチと違って、まっさらな学生が尋ねるからこそ得られるものがある」といった感想が語られた。

また、会場を訪れていた他大学の関係者やデザイナーからは、「自分たちもグローバルな産学連携を模索しているが、教務をはじめとする、さまざまな仕組みを変えなければならない点が難しい」「手を動かしたりフィールドワークをするなどトライ&エラーを重ねることが学生たちの体験になる。体験から学ぶことが重要だ」といった意見が聞かれた。

文部科学省の大学機能強化事業によって組織されたD-Labには、留学時代に「ME310/SUGAR」に参加し、その後も米国・欧州で活動してきたスシ・スズキ特任教授のようにグローバルなネットワークを持つ教員が多い。本展にはD-Labを解説するパネルや冊子も並んでいる。

京都工芸繊維大学の取り組みを広く他大学でも共有することで、大学ごとに独自性のある、学生のモチベーションを刺激するようなプログラム構築につながることを期待したい。


観光と農業のデザイン展
世界規模の産学連携プログラム「ME310/SUGAR」と京都工芸繊維大学

会期:2016年8月23日(火)〜 8月28日(日)
時間:11:00〜20:00(23日は15:00まで、最終日は17:00まで)
会場:AXISギャラリー(〒106-0032 東京都港区六本木5-17-1 AXISビル4F)
入場:無料
主催:京都工芸繊維大学KYOTO Design Lab
詳細:http://www.d-lab.kit.ac.jp/events/2016/design-of-tourism-and-agriculture/