ミラノサローネ/ユーロルーチェ 2017
「ガムフラテーシによる、ルイスポールセンの新作 Yuh 」

ルイスポールセンの特徴とも言える、光と影のコンビネーションが伝わってくる今回のブース、そして新作の照明「Yuh(ユー)」のデザインを手がけたのは、デンマークを拠点に活躍するデザインユニット、ガムフラテーシ。

Yuhのデザインは、アーネ・ヤコブセンのAJランプにインスパイアされたそうです。形状のデザインは数カ月ほどでできたものの、開発には2年以上の時間を費やしたとのこと。必要とされる機能を備えたデザインと引き継いでいくべきルイスポールセンのコンセプトを意識しつつ進めたといいます。

同社の歴代の名作ランプの数々に共通する、極限までに眩しさを抑えたグレアフリーな構造と、そこから空間に広がる光と影。今回のブランドテーマでもある「Design to Shape light (光のかたちをつくる)」は、まさにルイスポールセンが築き上げてきた全製品に共通するメッセージでもあります。ガムフラテーシのデザインは、「伝統的な良いものに新たな感覚でアイデアを注入し、現代のライフスタイルに溶け込むようなものにする」と評されます。このスタイルは、今回の新作「Yuh」にも大きく感じました。

▲「Yuh(ユー)」という製品名は、 人に呼びけるときのYouから。

ランプシェードの位置がスライドによって移動し、シェード内の構造には柔らかいくぼみがあり、発する光の影をソフトに演出。ポエティックな形状でありながら、AJランプと同じく緻密に設計された構造となっています。

▲ガムフラテーシのスティン(左)とエンリコ。 公私ともにパートナーのふたり。

ガムフラテーシのエンリコは、AJのDNAを受け継ぎ、空間に自然と調和するようなものにしたかったと話してくれました。ブースデザインは「紙切り」のイメージ。紙を切った面に光が差すと、くっきりとした影が生まれる。光がつくる陰影を美しく表現するルイスポールセンらしい空間でした。

取材協力: ルイスポールセンジャパン www.louispoulsen.com