上海で“ながらスマホ”は当たり前

▲ ボイスチャット中。Photos by Misa Nakata

みなさんこんにちは。前回の日本では有り得ない乗り捨て御免レンタサイクルに続いて、今回は「微信(WeChat)」をご紹介します。

中国では海外系のSNSが規制で使えないため、いわば中国版LINEと言われるWeChatをみんな使っています。パッと見はLINEにそっくりですが、私が思うに、これは中国人にカスタマイズしたSNSアプリなんですね。

それは、ながらスマホ前提のSNS、ということなんです。また有り得ないですよね?

日本の公共交通機関に乗ると、あちらこちらで「ながらスマホ禁止」「人にぶつかり危険です」「線路に落ちて轢かれます」などの注意勧告が見られます。中国でも書いているのを見たことはありますが、基本こちらの考え方は自己責任ですから、街じゅうは、ながらスマホだらけとなっています。

▲ 自転車に乗りながらでも。

さらに、小さなスマホの画面を見て文字を打つのが面倒くさい、その発想から生まれた(と思われる)機能が、ボイスチャット。LINEのタイムラインのようなチャット画面の上に、LINE同様、文字やスタンプや写真を上げることができると同時に、短い音声も乗せられるんです。画面の録音ボタンを押しながら喋った声がタイムライン上に記録されるという仕組みです。

その結果何が起こるかというと、運転していてもモーパイでチャットができる、ということなんです。

▲ 老若男女みなスマホを使います。

歩きながら、自転車に乗りながらだけでなく、バイクやクルマを運転していてもWeChatができます。目の前を横切るバイクのお兄さんがWeChatしていたり、乗ったタクシーで運転手がWeChatで会話しながら高速道路を突っ走っていく、というシチュエーションに遭遇してドキドキすることもあります。

便利だったり手間を省ける、そのために面倒な常識はすっ飛ばして生活を変えていく。このメリハリと割り切りが中国ならではだと思います。次ももう少しこのテーマでお話したいと思います。End

▲ 時間があればスマホに夢中。