上海でタクシーに乗るのはゲームです

▲さぁ、タクシーを捕まえよう! 緑のランプが空車のしるし。Photos by Misa Nakata

この話は、上海に来た人が街なかで必ず直面することなので、ここで書かせてもらいます。出張前、旅行前にぜひ一読ください。

上海は流しのタクシーがたくさん走っていて、基本的には道端で手を上げて呼んで乗るというのが一般的ですが(日本のように手を上に上げるのでなく、水平に手を伸ばしてヒラヒラ手招きする感じ)、それがなかなか捕まらず目の前を何台も走り去っていく、ということがしばしばあります。

特に雨の日。朝夕のラッシュ時。寒い日や暑い日。要は歩くのが嫌なとき、自転車で移動したくないとき、混んでいる地下鉄やバスに乗りたくないとき。そういうときにはタクシーは本当に捕まらなくなります。そういうときこそ人はタクシーに殺到してしまうから。初乗りがだいたい14元(約220円)とリーズナブルなのです。

そういう事態に偶然にも巡り合ってしまった不運な日本人は、「上海はなんでタクシー捕まらへんの? ほらめっちゃ走ってんのに! なんかようわからんわ~」って思ってしまいます。

違います。タクシーに乗るのはゲームです。乗るか乗られるか、ゲームと思ったら捕まえるのも苦になりません。

ではノウハウをみなさんに伝授いたします。これも今までのブログの話と同じで、どれだけあなたがタクシーに乗りたいと思い、その行動を起こすか?にかかっています。

▲黄色の縞々は停車OK。

① まず、ゲームを始めるかどうか? 上記のような競争の激しいときはタクシーに乗らないと早々に判断することもアリです。流しているタクシーのほとんどが、赤色もしくは消灯している(人が乗っているしるし)ようなときです。ちなみに空車ならば緑のランプです。ただ緑でもスマホで予約してある場合もあります。タクシーを使わないときは地下鉄(3元)がおすすめです。

② ゲームを始めるならば、道の縁石が黄色の縞々のところ、もしくは塗られていないところで待ちましょう。全部黄色のところは駐停車禁止です。例えば、バス停エリアは縞々です。タクシーに通り過ぎられるひとつの原因は、知らずに黄色のところで待っているということがあります。

③ もしくは信号手前で待つ。黄色の駐停車禁止ゾーンでも赤信号で停まることは不可抗力なので、信号で停車中のタイミングに乗り込んでも文句は言われません。

④ 一刻も早く乗る。手を上げてタクシーが近づいてきたとき、駆け寄ってすかさず乗り込む。もちろんバイクや自転車に注意してください。日本流の停まるまで待つ受身の姿勢では、近くにいる他の人が悪気なくインターセプトしてきて奪われます。「このタクシーは俺のもの!」と強くアピールし、即行動しなければなりません。また逆も然りで、だいたい複数の人が手を上げているものなので、そのなかを意地でも先に乗るという図太さを発揮してください。

⑤ 降りる人がいたらチャンス。降りたら必ず空きますし、スマホの予約が入っていないラッキーな状態です。ドアの前に陣取って隙を見せず、先客が降りたと同時に乗り込んでください。

▲黄色のベタの所ではほとんど停まってくれません。

本当はスマホのアプリで呼ぶとヒット率が上がるのと、アプリで白タクに少しお金を上乗せして来てもらうのが確実ですが、中国語のやり取りが必要となり難易度が上がるので、まずは上記①~⑤で、路面で捕まえる確率を上げてもらえばいいと思います。

ちなみに行き先の指示ですが、交差点のふたつの道の名前を言うのが基本です。ほぼ英語は通じませんので、事前にA4の紙に、長手方向を半分に折ったくらいの幅いっぱいに、目的地に近い交差点のふたつの道の名前を大きく書いておき、それを見せるのが確実です。いつも遠くを見ている運転手さんは小さな文字が見えにくい場合があり、地図は見づらいんですね。

今回はツアーガイドのようなブログになりましたが、ぜひみなさんに中国を好きになってもらいたいので、来て最初につまずきやすいタクシーの乗り方についてお話しました。タクシー争奪ゲーム、ぜひお楽しみください。End