ミラノサローネ / ユーロルーチェ2017
「果敢に挑戦し続ける底力——フロス(FLOS)」

▲見本市会場ユーロルーチェ内でも特に異彩を放っていたFLOSのブース。

今注目のデザイナーたちを起用し、照明の世界を牽引し続けてきたフロス。今回も、多くの新作と試みを発表していました。

        ▲「GAKU」

nendoはアジアのデザイナーとして初の起用。「GAKU」は、空間のアクセサリーと、照明が1つのフレームの中に収まっている形。フレーム自体がマグネットを搭載していて、充電機能のドックとしての役割も持ち、ここから飛び出し持ち運べるような機能も今後期待できるという楽しさ溢れる照明プロダクト。

▲「SAWARU」

「SAWARU」はシンプルな筒状の置き型のライト。光源のパワーはLED 35w 。「コーナーから壁に対してライトアップするというよりは、空間の真ん中に置いて全体を照らし出すという感覚を提案したい」とnendoの佐藤オオキ氏。

        ▲nedoの佐藤オオキ氏

そしてオランダを拠点に活動するデザインユニット、フォルマファンタズマは照明のデザインは初めてとのこと。

        ▲「WireRing」

「WireRing」は、照明器具に必須な電線とLED光源の2つの部材をシンプルな形に集約したプロダクト。素材を徹底的にリサーチし、その原点に視点を置き新たな表現をつくるというのが彼らのデザインイメージですが、「対象が照明になっただけでアプローチは同じ、僕たちは必要とされる素材によって、デザインするべき状況を変えられる」と話します。

        ▲フォルマファンタズマのふたり。

「WireRing」は、最小のLEDユニット、極細のケーブルを採用することをテーマとしています。リング状の部分から繊細に広がる間接光が印象的でした。今回注目した、2組のデザイナーがともに話してくれたのは「CEOのピエロ・ガンディーニはデザインに理解がある人。コミュニケーションはほとんど本人と直接で、常に新しいデザインアイデアやテーマを投げかけてくれる」ということ。

        ▲フロスのCEOピエロ・ガンディーニ氏、今回新作のデザイナーたちのクレジットの前で。

開発プロセスおよび技術的部分も深く知り尽くしているガンディーニ氏。フロスとの実績ある著名デザイナーの新作もあるなか、nendoやフォルマファンタズマの今回の起用は、一見フロスのイメージとしては意外な印象を与えますが、高品質な製品をつくるために、新しいデザインに挑戦し技術を高めていくことがフロスらしいのだというメッセージにも思えました。End

取材協力 : 日本フロス http://japan.flos.com/