日本の伝統工芸技術の可能性をグローバルに広げる
堀田卓哉「KYOプロジェクト」

▲「ドット・ドット」中むら+ミニストリー・オブ・デザイン

「KYOプロジェクト」は、伝統的技術を持つ日本のものづくり事業者とシンガポールのトップデザイナーが協働することで、グローバル市場の進出を狙う事業です(KYOは「共」=コラボレーションの意)。

現代の伝統的工芸品は、技術革新やライフスタイルの変化により、当初の目的を失いつつあります。今回、プロジェクトに参加した10社は、切子、染色、漆器など、長い年月のなかで培われた技術を有するところばかり。WOHA(ウォハ)、ミニストリー・オブ・デザイン、アサイラムのクリス・リーという3組のシンガポールデザイナーと協働することで、その可能性を押し広げ、新たなインテリア商品を生み出しました。

▲「ダンシング・フレイム」四代晴雲 原 惣右ェ門工房+アサイラム

例えば、新潟で蝋型鋳金を受け継ぐ四代晴雲 原惣右ェ門工房はクリス・リーと組み、「ダンシング・フレイム」という彫刻作品を生み出しました。“炎”の特徴的な斑紋をアートとして捉えたアプローチは、従来の蝋型鋳金とは大きく異なっています。ホテルなどをターゲット市場とした本商品は3月にシンガポールで発表し、多くの反響を得ることができました。

▲「成長するベッド」Tree to Green+WOHA

グローバル市場における伝統技術の本質的価値を、デザイナー、つくり手、双方の目で再解釈していくプロセスは、プロジェクトおよび日本の伝統工芸を一歩前に進めていく取り組みになると考えています。End

ーーデザイン誌「AXIS」187号より