“感動”を呼ぶための廃棄物処理現場

数年前から、ナカダイは積極的に設備投資を行ってきました。リサイクル率99%を維持するために、屋内、最低でも屋根が多く必要になったこと、社員のための環境整備、来場者への雨対策……。順番に、機械を止めないようにしながら、3年かけて少しずつ増改築を繰り返しました。昨年、ひととおりの工事が終わりました。大型トラックが往来し、大きいものや長いものが運び込まれる現場で、屋根をつけるのはリスクでもあります。一方で、雨、風に左右されない現場、品物が濡れないことによる品質の維持・向上、室内にすることでの廃棄物の飛散防止・粉じん対策など、挙げればきりがないほど効果があります。

最初の写真は会社の正面ですが、こちらは裏。通常の工場見学ではほとんど通ることがありません。左側に間口が3つ見えますが、いちばん奥、左側に少しだけ見えるのがバイオマス発電に使う“木のチップ”を製造し、溜めている場所です。その手前、黒い塊、右側にも少し見えますが、これがRPF(Refuse Paper & Plastic Fuel)と呼ばれる固形燃料、サーマルリサイクルと呼ばれる原料です。プラスチックと紙、木などを混ぜてつくります。ナカダイでは、汚れていたり、テープがついているなどして原料に戻せないプラスチックと、機密文書など文字抹消が必要なものを混ぜて、RPFを生産します。これらはボイラーと呼ばれる機械でよく使われています。燃焼をさせて、水を湯や水蒸気に変える設備です。その湯を使ってプールを経営したり、水蒸気を動力に変えたりと、使い方はさまざまです。石炭などの天然資源を使う場合が多いのですが、それらの代わりにRPFが使われます。資源の抑制もできるリサイクルの代表例です。

ナカダイでのリサイクルのメインは「マテリアルリサイクル」。素材として使用するリサイクルです。同じプラスチックでも種類は無限にあります。素材として使用するには、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなど見分けなくてはなりません。ナカダイの社員として2年も働けば、見るか、触れば判別ができるようになります。それでもわからない場合、写真のように火をつけて、煙とその匂いで嗅ぎ分けます。えっ?と思われるかもしれませんが、最終製品のように表示がないプラスチックを見分ける術はこれしかありません。

最後の写真は破砕機です。大きな廃棄物を破砕します。設置には当然ならが安全性を考慮しています。廃棄物業界は本当に労災の多い業界で、一度事故になれば、大惨事になってしまうような大きな機械が多いのです。

一方で、大きさや長さなどまちまちな大量の廃棄物を効率的に処理するには、穴を掘って地下に落とすのが最短です。しかし、モノだけでなく人も落ちる危険性があります。また、大量に落とすので、内容物の確認がしにくくなり、品質に問題が出る可能性もあります。ナカダイでは、わざと上に持ち上げる設計にしています。上にあげるには、ものをつかんで、または箱などに入れて、目視しなければならないので品質を確保できるし、わざわざ上って機械の中に入らない限り、事故は起きません。

今期のナカダイのコンセプトのひとつに「感動」があります。4月以降、暖かくなってきたら、またたくさんのお客さんが工場を訪れます。その皆さんに感動してもらおう。何よりも安全で、きれいな工場で、従業員の対応も適切で、そして、他では見られないさまざまな工程が見られて、知ることができる場として。

ぜひ、皆さんのご来場と忌憚のないご意見をお待ちしております。End