銀座・伊東屋 買う場所から過ごす場所へ、
心地よい環境づくりを支えるAXISフォント

2015年6月にリニューアルオープンしてから、まもなく3年目の春を迎える銀座・伊東屋。創業時の約110年前から銀座の目抜き通りに店を構え、いち早く輸入文具を展開するなど最先端のものがそろう文房具店として人々に親しまれてきた。そんな伊東屋の本店が建替えをするにあたり、サイン計画やポップ、プライスカードなど店内表記の書体に選んだのがAXISフォントだった。1階のデジタルサイネージから12階レストランのメニューまで、和文はすべてAXISフォント。建物や内装のデザインをマネジメントする企画開発本部 マーケティング部長の森脇英理子氏に、本店のコンセプトやフォント選定のポイントについて聞いた。

▲森脇英理子氏 (株式会社伊東屋 企画開発本部 マーケティング部 部長、クリエイティブ・CAFE Stylo 担当部長)

空間や環境を大切にした店づくり

――本店のリニューアルコンセプトを教えてください。

伊東屋はこれまで、できるだけたくさんの文房具を並べてお客様に選んでいただくという、お買い物の喜びや楽しさをテーマに店づくりをしてきました。リニューアルにあたっては、ものを買う場所から過ごす場所へ。最上階に新設したレストランをはじめ、お客様がそこで気持ちよく過ごせる空間をつくり、そのなかで発見した、いいもの、気に入ったものを買っていただくところへシフトしたいと考えたのです。そのため今回は、空間や環境ということをとても大切にしながらつくり込んでいきました。

建物は大手建設会社が担当し、内装は2つの建築事務所がフロアを分担して設計しています。「働く人をサポートする」という全体コンセプトのもと、フロアごとにテーマが異なるため、それぞれに合った建築家を割り当てた感じですが、建物のコンセプトづくりからずっと一緒にひとつのチームとして動いてきました。

▲銀座・伊東屋の1階。道と道をつなぐ「ガレリア」としてとらえ、通りに面した部分はガラス壁にして半屋外のような空間に。銀座の空気感を感じてもらうことを重視したという。

▲フロアごとに什器やBGM、アロマも変化。「働く人をサポートする」というコンセプトのもと、文房具以外のライフスタイル商品を拡充することで、新たな顧客を増やす。

30種類の日本語フォントを検討

――サイン計画やフォントについては、いつ頃から話し合ってきたのでしょうか。

まず、土地や建物の話が2010年くらいから始まり、室内空間の計画が2012年頃。そして2014年くらいからサイン計画に着手しました。ただ、フォントに関しては社内で検討して決めてから、建築に落とし込んでもらっています。

▲紙のフロアでは、壁一面に触れる紙の見本帖を設置。紙のサンプル1枚1枚に、AXISフォントで価格や特長が記されている。

――なぜ、社内でフォントを決めたのでしょう。

伊東屋では、本店・支店の店内におけるあらゆる印刷物、広告、ホームページ、イベント会場、ウィンドウディスプレイまで、すべての制作を私たちクリエイティブ室が担当しています。リニューアル前は複数のフォントが混在していたため統一感がなく、看板やポップなどによって指定のフォントが異なるので発注ミスも起きやすかった。リニューアルにあたって、クリエイティブ室にとって使いやすいフォントを選ぶことは、今後の運営を考えるうえでも重要なポイントだったのです。

具体的には、候補のフォントを組み合わせて看板やサイン、ポップ類ごとのサンプルをつくり、経営陣とともに実際に見比べました。店内に極端に文字があふれないようにする予定だったので、主張しすぎず、なるべくやわらかい文字を選んでいきました。また、店内の表記には文字の少ないプライスカードや解説のように長いものもあります。そのため、どんな文字量でも見やすいフォントであることも大事。日本語フォントだけで30種類くらいは検討したと思います。

▲1階ドリンクバーのメニュー。

▲最上階には、伊東屋の店舗があるサンフランシスコをイメージソースにしたレストラン「CAFE Stylo」を新設。階下の野菜工場(水耕栽培)で収穫した野菜を使ってサラダを提供する。メニューもAXISフォント。

――そのなかでAXISフォントを選んだ決め手は?

店は一度建てたら少なくとも30、40年は使い続けなくてはなりません。40年後に「あの時代に流行っていた」「廃れた、古いデザイン」と思われたくないですし、取り扱う商品もなるべく普遍的なものを選び、お客様に長く使っていただきたい。それはフォントについても同じです。この先10年、20年とフォントを変えるつもりはなく、先を見越した時にも飽きがこず、お客様にもなじみやすいことが大事。AXISフォントはそのバランスがいちばんいいように見えました。

▲ショーカード(商品を紹介するポップ)などにもAXISフォントを使用。

英語タイトルを引き立てるAXISフォントの和文

――和文がAXISフォントで、欧文はArialの組み合わせですね。

AXISフォントの欧文は少し特長があって細いので、もう少しニュートラルで、くせの少ない欧文フォントを合わせたかったのです。また、Itoyaという英語のロゴにも親和性の高いフォントとしてArialを選びました。

――フロア案内は英語がメインになっています

伊東屋は昔から英語表記が多いんです。英語のほうが商品カテゴリーを大きくくくれるというメリットがあります。例えば、日本語で「便箋・封筒」と書くとその商品だけしかイメージできませんが、「Letter」と書くともう少し広がりが出ます。特にリニューアル後は、各フロアを商材で区切るのではなく、シーンで区切ったため、英語タイトルをメインにすることでお客様にも想像していただけるのでは、と考えました。

▲伊東屋オリジナルのカレンダーには、社内でデザインしたオリジナルの書体が使われている。

――クリエイティブ室の制作で変化はありましたか。

リニューアル後は大きなポップやプライスカードを極力置かないようにしました。小さな文字で文章を打たなければならないときでも、AXISフォントの小さい文字ははほかのフォントよりも数段読みやすいと思っています。

――今後ほかの支店もリニューアルされるそうですね。

京都店がオープンし、順次ほかの店舗もリニューアルしていく予定です。内装がまだの店舗も、先行してフォントは新しくしているので、今後本店のテイストがほかの店にもどんどん踏襲されていくことになると思います。

――ありがとうございました。

▲1階の高さ5メートルのウィンドウディスプレイも伊東屋のクリエイティブ室が担当している。

取材協力:株式会社 伊東屋

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