Light + Building 2018 レポート
空間を意識したグラフィカルなセンス「ダヴィデ・グロッピ」

▲ダヴィデ・グロッピのブースはデザイン系照明が多く出展しているhall1.2で、ブース自体はコンパクト。連日、午後には入りきれない人たちで溢れていた。

イタリアの照明メーカー、ダヴィデ・グロッピ(davide groppi) 。シンプルでミニマルなデザインの中に、ユニークな感覚のプロダクトが特徴のメーカーです。同社のテーマである「Spatial Concepts(空間概念)」の下、住空間や商業施設などの境界を超え、独自の視点で空間をとらえた提案をしていました。

▲「ENDLESS」本体は電気部材になるため、プロダクトとともに紹介されていた。

「ENDLESS」は特許も取得した、電源供給のためのパーツ。このパーツはコンパクトで、粘着テープによって簡単に天井や壁に設置でき、自由に照明の位置を決めることができます。シーリングライトやウォールブラケット照明など、照明のレイアウトを決める際、電源の位置に左右されることがありますが、そのストレスを解消できるものになりそうです。

▲「MERIDIANA | SUNDIAL*」。SUMDIALとは日時計のこと。線状の形が時計の針というイメージ。間接照明として広く機能していきそうだ。

2010年にコンパッソドーロを受賞した定番の製品「Nulla」や、昨年のミラノユーロルーチェで発表された「infinito」 に続き、新たに同社が発表した「MERIDIANA | SUNDIAL*」。こちらは、上記の「ENDLESS」のシステムを効果的に使用できるプロダクト。光と影、そして目には見えない時間も結合させて空間を提案するというもの。線状のシンプルな構造体から発する光が、壁の自由な位置にレイアウトされ、視覚的にもグラフィカルな空間をつくっていきます。

▲壁の取付板がほとんど見えないように設計されている壁付けのコードレス照明「CLIP」。

▲「CLIP」は簡単に外せて、チャージができる。

最初にコードレス照明「CLIP」を見たとき、普通のウォール照明だと思い覗きこみました。すると、電源をどこからとっているのかとわからない。実は、マグネットで壁面取付板に装着できる灯具で、それ自体がUSBで電気をチャージするというもの。卓上のスタンドタイプのコードレス商品が多く発表されているなか、ユニークでこれまでにない画期的なプロダクトだと思いました。

創業者のダヴィデ・グロッピ氏はプロモーションビデオの中で「デザインという言葉よりも、発想・発明と言ったほうがいい」と語っていました。この感覚が「CLIP」や「ENDLESS」に見られるようなアイデアとなって、照明の世界をもっと自由なものにしていくという印象を受けました。

ダヴィデ・グロッピ http://davidegroppi.com/