水戸芸術館で企画展「霧の抵抗 中谷芙二子」を開催。
近代以降の技術発展がつくり出した社会を鋭く批評

茨城県水戸市の水戸芸術館 現代美術ギャラリーでは、2018年10月27日(土)から2019年1月20日(日)まで、企画展「霧の抵抗 中谷芙二子」が開催される。

中谷は、雪の研究と自然を題材とした随筆で知られる中谷宇吉郎の娘として1933年に生まれ、1970年の大阪万博では芸術家と科学者の協働を推し進めた「E.A.T.(芸術と技術の実験)」の一員として、ペプシ館を霧の彫刻で包み込み、これが代表作のひとつとなった。

▲《ペプシ館》 霧の彫刻, #47773, 1970(参考図版)日本万国博覧会(EXPO ’70)会場風景より 撮影:中谷芙二子

芸術とテクノロジー、芸術と科学の融合など、最近になって広がりつつあるこれらの価値観を、半世紀にわたって当事者として見つめてきた彼女の活動には、人間と自然との間の信頼関係を問う、柔らかで明快な抵抗が込められている。

彼女の思想や作品には、人工物に囲われた都市空間、メディアを通して得られる疑似体験など、近代以降の技術発達がつくり出してきた社会に対する鋭い批評があり、それを本展では「霧の抵抗」と呼ぶことにしたという。

霧の彫刻とビデオを通して、時代の潮流に対して霧のごとく抵抗してきた中谷の活動のドキュメントを、当時の時代精神とともに紹介する。End

▲《ロンドン・フォグ》 霧パフォーマンス, #03779, 2017(参考図版)BMW Tate Live Exhibition: Ten Days Six Nights(テート・モダン/ロンドン)展示風景より コラボレーション:田中泯(ダンス)、高谷史郎(照明)、坂本龍一(音楽) 撮影:越田乃梨子

霧の抵抗 中谷芙二子

会期
2018年10月27日(土)~2019年1月20日(日)
9:30~18:00(入場時間は17:30まで)
休館日
月曜日、年末年始(2018年12月27日(木)~2019年1月3日(木))
※ただし12月24日、1月14日(月・祝)は開館、12月25日、1月15日(火)休館
会場
水戸芸術館 現代美術ギャラリー、広場
詳細
https://www.arttowermito.or.jp/gallery/gallery02.html?id=502