パリのアーティストグループ「Obvious」がAIで絵画を制作
クリスティーズに出品された肖像画が432,500ドルで落札

▲Image © Obvious

オークションハウスのクリスティーズ(Christie’s)では、「Edmond de Belamy, from La Famille de Belamy」というタイトルの肖像画が出品された。

2018年10月25日(木)に行われたオークションでは、予想価格7,000(約79万円)~10,000(約113万円)ドルに対し、432,500ドル(約4894万円)の落札価格をつけた。

本作の最大の特徴は、AIを用いて描かれた絵画だということ。クリスティーズは世界で初めてAIアート作品を提供したオークションハウスとなった。

金箔の額縁に収められたこの肖像画は、暗い色のフロックコートと簡素な白い襟からするとおそらくフランス人の紳士で、教会の人に見える。また、作品は未完成のようであり、顔の特徴はやや不明瞭で、キャンバスには空白部分も見られる。

奇妙なことに、全体の構成は北西に少し傾いている。壁に貼られたラベルには、モデルの人物はEdmond Belamyという名前の男だと書かれているが、作品の手がかりとなるのは、右下のアーティストの署名ならぬ、括弧がたくさんついた代数の数式が規定するアルゴリズムである。

本作は、Hugo Caselles-Dupré、Pierre Fautrel、Gauthier Vernierによるパリを拠点とするグループ「Obvious」が作成したもので、架空のBelamy一族の数ある肖像画のひとつだという。彼らは、芸術とAIの間のインターフェースを探究しており、彼らは「敵対的生成ネットワーク(generative adversarial network)」の頭字語をとってGANと呼ばれている技法を用いている。End