ジャン・ヌーヴェルが手がけたオフィスタワー「La Marseillaise」
地中海の濃密な空気になる軽やかな建築

▲Photo : Michèle Clavel pour Constructa

フランスの建築家 ジャン・ヌーヴェルが手がけた、マルセイユに建設した135m・31階建てオフィスタワー「La Marseillaise(ラ・マルセイエーズ)」が竣工した。

高層建築・タワーは広い面積に広がっておらず、日々の移動を軽減してくれるので、大都市では中心付近に組み込まれる。既存の移動やサービスのインフラを使用するので、こうした建築があらゆる意味において「持続可能」で「都市的」だとごく自然にわかる。

▲Photo : Michèle Clavel pour Constructa

ただ、世界中の高層建築は同じように見える。しばしば交換できそうで、ありふれており、都市に特徴を与えることなどあまりにもまれだ。いかに高層でもアノニムである。つややかな平行六面体で、輝き過ぎるカーテンウォールの後ろにあるものを反映している。

これらの認識と批判的考察によって、La Marseillaiseが提案された。そのねらいは、地中海の濃密な空気の一部になることだ。太陽と戯れるというこの建築の欲望を誇示しており、空には影を描いている。この薄い影はただ、複雑な数学的ゲームという種からできたシンプルな幾何学である。

▲Photo : Michèle Clavel pour Constructa

▲Photo : Michèle Clavel pour Constructa

ヌーヴェルは「ラ・マルセイエーズ」と名づけたが、フランス国歌「ラ・マルセイエーズ」とはちがって戦闘的ではない。コンクリート製だが装甲を外して、軽量コンクリートや繊維補強コンクリートを使用。未完成の建築図面のごとく軽やかなものだ。End