OMAの建築家 Reinier de Graafが手がける
高層建築プロジェクト「Norra Tornen」

▲© Laurian Ghinitoiu

建築設計事務所 OMAの建築家 Reinier de Graafが手がける高層建築「Innovationen Tower」が建設中だ。これは2棟の高層マンションからなる「Norra Tornen」プロジェクトの1つ目の建築物。ノーベル医学賞の受賞者を輩出したカロリンスカ研究所(Karolinska Institute)周辺に開発されたストックホルム北部の新地区Hagastadenに位置している。

設計では、打放しコンクリート製のプレキャスト・モジュラーシステムを採用。交互になった出窓と、くぼんだテラスの組み合わせが特徴的である。これは、かつて建築批評家レイナー・バンハム(Reyner Banham)がスウェーデンで発明されたものだと語った、ブルータリズムへのオマージュになっている。

タワーの場合、壁と床の比率が0.5を上回ることはほとんどないが、この建築では1に近づくデザインで、多くのディベロッパーを落胆させるものだった。それでも、1年の半分が日照不足の同国では、規格外の大きさの窓があることと各戸の向きが複数あることは貴重な財産なのだ。それゆえ、建設完了前にして全戸が完売したという。

Innovationen Towerは、44平米・寝室1室のものから最上階の271平米のペントハウスまで、全182戸からなる。住居ユニットのほかに、シネマルーム、パーティやお祝いができるディナールーム、ゲストルーム、サウナのあるジム、リラクゼーションエリアも完備。

高さ125メートルで、ストックホルム中心部で最も高層の住宅となる。もうひとつの棟「Helix Tower」は2019年末に完成予定で、138戸とアメニティが入るという。End