MAD Architectsの新プロジェクト「Courtyard Kindergarten」
歴史と場所、自然の保護を考えた特徴的な幼稚園

馬岩松(マ・ヤンソン)率いる建築事務所 MAD Architectsは、北京で建設中のプロジェクト「Courtyard Kindergarten」のデザインを公表した。

1725年に作られた、伝統的な四合院の中庭にあるこの幼稚園では、新しい建物を設けつつ既存の建物も保護し、利用に向けて改修も実施。歴史的な中庭を取り囲むダイナミックな浮屋根が特徴的で、敷地内の文化遺産を保存する一方、古いものと新しいものが共存する多層的な都市の物語を表現している。

建物の間の空間は狭いが、低くなだらかな屋根を活用することで、屋外でスポーツや活動を行う子どものカラフルな遊び場ができあがった。南西側には起伏のある小さな「丘」や「平地」を設け、高低差を作ることで風景に楽しさを与えている。

浮屋根の下は、教室、図書館、ミニシアター、体育館などを設けたオープンなレイアウト。2歳から5歳まで400人の子どもの開放的な学習スペースには、自由でまとまった雰囲気がある。

1990年代のモダンな建物や400年前の伝統的な中庭など、さまざまな建築要素が存在するので、もとの建物の伝統を保持しながら互いに共存させて、新たな相互作用を作り出している。

開放的で豊かなデザインから、子どもが周囲の環境を正しく理解することを目指している。歴史と場所、自然の保護を考え、新旧のデザインの間につながりを見出すことで、コミュニティに価値をもたらそうとしている。End