ベルギーの火葬場「Crematorium Siesegem」
静けさが参列者を慰めて心の支えとなる設計

ベルギーの首都ブリュッセルの北西に位置する都市アールスト(Aalst)では、その郊外に「Crematorium Siesegem」と呼ばれる火葬場が完成した。

オランダの建築設計事務所 KAAN Architectenが手がけたもので、74m×74mの敷地には、火葬場を中央に据え、その周囲には樹木や低木が植えられている。

周辺に広がる緑は火葬場の延長としてイメージしたもので、葬儀に際して重要な要素になるという。建物の南西角には中庭を設け、参列者を迎え入れ、内部に誘うための中間的なスペースを提供。内部に入ると広々とした空間が続き、建物自体が道案内役となるので迷うことはない。2つの葬儀会場にはそれぞれ、親族向けの部屋や、屋外に向かって開かれた哀悼の場が設けられている。

景色を自分自身の内側に取り込むことで、静けさが参列者を慰め、心の支えとなる設計を目指した。そのため、室内空間が景色のなかに収まるようにしており、囲われた中庭をつくることで、内部と外部の境界を曖昧にしている。

▲Photos: Simone Bossi, Sebastian van Damme, Jean-Pierre Gabriel

葬儀スペースに隣接する建物の機械装置もデザインの根本的な要素だ。火葬の仕組みを隠すのではなくはっきりさせることで、機械と静寂という両極端なものに非日常的で印象的な効果が生み出されている。End