ガラパゴス諸島のゾウガメはなぜ長寿?
寿命が短い脊椎動物にはない遺伝子変異体を発見

▲ロンサム・ジョージ

イェール大学、スペインのオビエド大学ガラパゴス保護委員会(Galapagos Conservancy)、ガラパゴス国立公園管理局(Galapagos National Park Service)の研究者たちは、ガラパゴス諸島のゾウガメの長寿に関する遺伝的な手がかりを研究し続けている。

ゾウガメのなかでもよく知られている個体は、「ロンサム・ジョージ(Lonesome George)」。1971年にガラパゴス諸島のピンタ島で発見されたピンタゾウガメで、生存が確認されていた最後のもの。2012年6月24日の死により、ピンタゾウガメは絶滅したそうだ。

そんなロンサム・ジョージのDNAや、捕獲から100年以上生きることもある他のゾウガメのサンプルの遺伝子解析を実施。寿命の短い脊椎動物にはないようなDNA修復、免疫反応、癌抑制につながる多くの遺伝子変異体が存在することがわかったという。

「すでに老化に関する9つの特徴がわかっていましたが、この分類にもとづいて500種類の遺伝子を調べたところ、ゾウガメではそのうち6つの特徴に影響を及ぼす可能性のある興味深い変異体が見つかりました。老化研究における新たな道筋が開けてきました」とオビエド大学のCarlos Lopez-Otin氏は語っている。End