地方創生SDGs官民連携プラットフォーム
理想と現実のギャップをどう埋めていくのか

2018年8月31日、地方創生SDGs官民連携プラットフォーム設立総会が開かれました。オフィシャルな設立目的は各自お調べいただいて、私なりの解釈は、民間のノウハウや技術を積極的に行政に取り入れて、「持続可能な開発目標(SDGs)」を、日本各地で、それぞれの特徴を生かして達成しましょう。それが、地方の魅力になり、地方創生につながる、そのための官民のプラットフォームを設立したということです。

SDGsは2015年9月に国連で採択された17の目標と、それに付随する169の具体的なターゲットが明記されていて、2016年~30年の15年間で、これらの目標を全世界で達成しましょうというスキームです。詳しくはこちら。私たちナカダイのリマーケティングビジネスはそのままSDGsに展開できるので、今までも講演をしたり、ビジネスの相談にのったりしていました。そこで今回、このプラットフォーム内で、「モノのトレーサビリティと、循環を前提とした社会基盤(プラットフォーム)の構築」という分科会を立ち上げました。

10月に行われた第1回は顔合わせ、参加企業・団体の紹介を、ナカダイの品川ショールームで行いました。循環と言っても、なかなかイメージがしにくく、具体的にどんな具体案が出るかわからない状況でしたが、7社の参加申し込みがありました。皆さん、広い意味で環境に関わっている人たちで、廃棄物関連だけではありません。まだまだ浸透していないと言われているSDGsとはいえ、企業の大小関係なく、徐々にすそ野は広がってきていると感じました。

11月の第2回は、群馬のリユース市場と中間処理場の見学の二本立て。私たちのスキーム、技術のアピールではなく、現実を知って、それぞれの分野とどんなマッチングの可能性があるかを探ってもらうのが主な目的でした。現場でリアルなモノを見た後に、海洋プラスチックの問題、中国の問題、日本の直面している課題などいくつかのデータを共有しながら、ディスカッションを行いました。現場を見た後の議論の良いところは、より現実的な話ができるところ。もちろん、理想は必要です。特に、環境の話は〇〇するべき!のような“べき論”が先行しがちです。それと現実とのギャップをどう埋めるか?を議論できるのは、現場を見たときです。環境の場合、このギャップを埋めるには、産業構造や私たちの生活スタイルを変える必要が出てくるからです。この便利な生活を捨てることになることへの恐怖感もあります。べき論だけではなく、実行可能なスキームをつくらなければ、理解は得られません。

国連で採択されたというと、どこか遠い話に聞こえるかもしれません。しかし、私たちの生活は、グローバルにつながっています。皆さんの身の回りの物を見回しても、日本以外のいろんな国で生み出された資源、加工された製品が並んでいるはずです。そこには、私たち同様、その国の人たちの生活があります。画面を通して得られる情報ですが、すべて同じ地球上で起こっていることで、関係のない話ではありません。世界の現実を知ったうえで、日本、または地域に最善のビジネスを生み出すという両にらみのバランス感覚こそ、これからの社会に必要だと思います。End