フィンランド、ヘルシンキのAmos Rex (アモス・レックス)はこんなところでした。
こけら落としは、チームラボ展!


今話題になっているアモス・レックスはどこにあるんだろう?と思って歩いていたらヘルシンキの街のど真ん中にありました。

ヘルシンキ中央駅から西側にちょっと上って3分位。(ヘルシンキの街で、街中にある施設やお店の場所を訪ねると、なぜかいつも「うーん10分くらいかかるなあ」と言われるのですが、どこもかしもも10分足らずで行けました)。

なにしろここは、もともと長距離バスの発着所があった場所。ほとんど駅といってもいい場所です。

▲長距離バスの発着所だった頃の写真。画面の上部にフィンランドの国会議事堂、エドゥスクンタが見える。なるほど街の真ん中です。

▲これがヘルシンキ中央駅。エーロ・サーリネンの父親エリエル・サーリネンの設計。

現在、最大入場可能な2300人近くが毎日訪れているそうです。10月19日には早くも10万人を突破。ヘルシンキの人口は約63万5000人(2018年の東京の人口が、約1,384万人)といいますから、その人気のほどがわかるというもの。最終的な数字は出ていませんが、入場制限まで出ています。

▲トラムの中から、「見てみて。何あれ?」との声が。行列を見慣れないヘルシンキの人が驚いた入場待ちの長い列。

アモス・レックスの前身は、1965年から2017年まで560以上のテンポラリーアートの展覧会を行なっていたアモス・アンデルソン・ミュージアム。ラシパルツィスクエアの下にあります。

このラシバルツィというのはグラスパレス、つまりガラス宮殿の意味だそう。ビル自体は元々はヘルシンキオリンピックのために1930年代に建てられたもの。その後アイスクリームバー、レストラン、カフェ、映画館、ショップのコンプレックスとなり、スカンジナビア諸国で初めてのネオンサインをつけた画期的なビルだったそうです。

それが地元の若手建築家集団JKMM アーキテクチャルファームの手で、新しいタイプのミュージアムに生まれ変わったというわけです。古くから親しまれてきた美しい都市施設が、新しく世代交代をはたした成功例といえるでしょう。

▲ネオンサインのBio REXは映画館の名前

こんな街の真ん中で、広い展示会場でコンテンポラリーアートを身近にみることができるのはなんとも羨ましい環境です。地下にあるため、季節、天候に左右されず、芸術作品に没頭できます。地上に戻ると驚くほど時間がたっていることも。地下に別世界がひろがっているのです。

▲展示室前で天井を見上げるとこんな感じ。

▲エントランス部分。広場の地下に階段で下がっていきます。

チームラボの展示を見た人はもうご存知かと思いますが、クレパスと塗り絵の紙がおいてあり、そこでみんなぐいぐい塗り絵をしています。絵柄は、とかげやチョウチョ、かえるなど。これを係の人に渡すとプロジェクターに入れてくれます。次の暗い部屋に進むと、自分の描いたちょうちょやカエルが、部屋の中を飛び回るという趣向です。その他にもチームラボらしい部屋が5つ楽しめるようになっています。

▲チームラボ、この展覧会のテーマは「Massless」。

チームラボの展示とともにコレクションのSigurd Frosterus(シグルド・フロスタース)という後期印象派の絵画も展示していました。ひとつ気をつけなければいけないのは導線が複雑で、しかも暗闇の中を歩くので、展示室を飛ばして戻ってきてしまう危険があることです。

オープニング企画の展覧会は大成功。しかし、そうなるとこの次に一体どんな展覧会をみせてくれるのかが気になるところですが、展示企画は次々と続くようです。ヘルシンキに行ったときには、地下の世界をのぞくこともどうぞお忘れなく。(文/AXIS 辻村亮子)End

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