北京の建築事務所 OPEN Architectureがデザインする
ユニークな半屋外コンサートホール「Chapel of Sound」

中国・北京の建築設計事務所 OPEN Architectureは、同事務所が手がけたユニークな半屋外コンサートホール「Chapel of Sound」が、第66回 Progressive Architecture Awardsを受賞したと発表した。

同賞は、創造的な実践に贈られる北米でもっとも重要な賞の1つで、建築分野で新しい思考法を取り入れた優れた設計を評価するもの。

同建築は、明朝の万里の長城が残る、北京の北の人里離れた谷のふもとに位置する。まるで遠い昔に谷へ落ちた奇妙な先史時代の巨礫といった外観で、砕いた地元の鉱物質の岩石を混ぜたコンクリートで全体を仕上げている。逆さの円錐形の構造には、半屋外の円形劇場、屋外ステージ、展望台、補助スペースが収まる。

ホールは演奏用に音響効果を考えた設計だが、瞑想やコミュニティの集会向けのスペースとしても利用可能。建物上部の大きな開口部や、壁にあいたさまざまな形の小さな開口部から、空や周囲の渓谷の素晴らしい景色や、自然のさまざまな音が楽しめる。

日光は洞窟のでこぼこした表面から踊るように差し込み、光と音で満たしてくれる。雨が降ると、水はホール中央の開口部を通って流れ落ち、フロアに飛び散って側溝に流れる仕掛けで、瞑想的なパフォーマンスを演出する。

また、コンサートや合唱、演奏がないときは、ホールは鳥のさえずり、虫の鳴き声、木々の葉擦れの音、床に落ちる雨滴を聴く場所となる。自然がたえず変化するシンフォニーを奏で、音のチャペルとして機能するのだ。End