アカデミー衣裳デザイン賞を受賞した映画「ブラックパンサー」
3Dプリントを駆使した衣装デザイン

▲©︎ MARVEL / DISNEY / Black Panther Costume Design Ruth Carter 2018

2018年に公開されたマーベルの映画「ブラックパンサー(Black Panther)」は、黒人を主人公にした作品として注目されたが、その華麗な衣装でも注目を集め、見事にアカデミー衣裳デザイン賞を受賞した。

本作で衣装デザインを担当したのは、数々のハリウッド作品を手がけてきたルース・E・カーター(Ruth E. Carter)だが、3Dプリントを専門に衣装を作成するデザイナー Julia Körnerも同作に協力した。

同作の舞台となるワカンダ王国はテクノロジーとイノベーションが進んだ国で、女王・ラモンダの衣装は、物語に合わせるように最先端の3D技術を活用し、伝統的なアフリカの文化と非常にハイテクなファッションの組み合わせた。

カーターによる衣装デザインのスケッチをもとに、Körnerがアフリカ文化にインスピレーションを受けた3Dパターンを考案し、ズールー・ハット(Zulu Hat)やマントをデザイン。

▲©︎ MARVEL / DISNEY / Black Panther Costume Design Ruth Carter 2018

▲©︎ MARVEL / DISNEY / Black Panther Costume Design Ruth Carter 2018

Körnerは、こうした衣装が手作り風ではなく、コンピュータによるアルゴリズムでパラメトリックに生成されたような、進んだテクノロジーの雰囲気を持つことが重要だったという。そのため、ビジュアルプログラミングソフトウェアを用いて、衣装の模様を考え出し、素材の複雑さや身振りを踏まえて試行錯誤を行ったそうだ。End