乾陽亮設計事務所がデザインした「ほとり」
彦根仏壇職人による故人を祀る写真立て

乾陽亮設計事務所は、故人を祀る写真立て「ほとり」を手がけた。

同事務所は、「こころ豊かな暮らし~新しい祈りのかたち~」をテーマに、彦根仏壇組合の有志が集まって伝統技術が生み出す新しいスタイルの祈りを提供するブランド「ナナプラス」に2013年から参加している。

同品は、故人をほとり(=そば)に感じられるように、小さな遺品や骨壷とともにお祀りできる写真立て。指輪や時計などが入る小さな室と、雪見障子のように覗くかたちで骨壷などを置ける小さな台を設けた。

幅140mm、高さ245mmで、写真入れ部分に磁石を埋め込み、戒名や「南無阿弥陀佛」などと彫った札板を設置でき、小さな位牌や仏壇としても祀ることができる。

本体は、彦根仏壇の職人がひとつひとつ手作りしたもの。黒塗りの荘厳な四角い枠が台に乗っている形で、少し傾げるために9度になるように取り付けているという。枠は黒塗の他、明るい白木(ヒノキ)を加えた2種で、それぞれにアサメラ(アフリカンチーク)と摺り朱漆の写真入れを天部から落とし込む、シンプルな形に仕上がっている。End